「そこのみにて光輝く」2014年 監督:呉美保 DVD
仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
この映画、池脇千鶴が良いと言うので、二番館早稲田でかかっていた時、観に行こうとしたら、少し早目に行ったにも関わらず「立ち見になります」と言われ断念した経緯がある。綾野剛を侮っていたかなと思ったもんです。
その後、かなり作品として評判が良いらしいと聞いたので、新作価格でDVDレンタルしてみた。
いや、また凄い日本映画が現れたもんです。![]()
この質感、不穏な空気感、語り口。低迷するピンク映画に逆スカウトしたくなる感じ。
役者のキャラ設定と演技、演出のなせる技なんでしょうか。
久しぶりに涙腺決壊されました。![]()
綾野剛、菅田将暉、池脇千鶴の織りなす関係がビンビンに来るんですよね。![]()
下品でも憎めないイイ奴。ヤニで黄色い歯が印象的な保護観察下の拓児役、菅田将暉は、仮面ライダーWの子(フィリップ)やないですか。あのファッションセンス、嫌いだったんですけど。今回の演技素晴らしいです。綾野剛のニヒルな感じとのコンビネーションが秀逸。左翔太郎とのコンビを越えましたね。![]()
綾野剛という役者さんはCMで綾小路きみまろと比較されてる人ぐらいの知識しかなかったが、なるほどこれは女子が熱をあげるタイプではある。
でもこの綾野剛の魅力を引き出しているのは菅田君の存在あってこそじゃないでしょうか。![]()
当初は私の好物であるダメ人間モノと思ったが残念ながらそうでは無いよう。何がしかの過去を引きずりニート生活をしているだけで、本来はできる男。
そこで一瞬、「なぁんだ」と思ったものの、そんな事を超越するモノがありグイグイ物語に引き込まれちゃいます。
拓児の最底辺の貧困家庭における姉ちゃんに池脇千鶴。この役作りのリアルさがもうメチャクチャ良いのです。![]()
女優は様々な方法で役作りをするのでしょうけど、今回は肉体で表現してる感じ。もともとそういう肉体なのかどうなのか知りませんけど。めちゃくちゃ場末感のエロさがあるムッチとしたボディ。チャーハン作る二の腕。だらしなく痛んでいそうなロングヘア。
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出会いから初めて口づけかわす瞬間。そこが海のシーン。![]()
墓参りの話が出た後のセックス。このラブ・シーンで涙腺決壊。これほどまでに愛を感じるラブ・シーンって、たぐいまれ。![]()
また、その後に中島(高橋和也、これまた好演)との愛のない、荒んだセックスで対比させる、絶妙さ。![]()
闇のどん底から一瞬見える光明。例えここで単なるハートフルなハッピーエンドで終わったとしても私は文句はつけません。
でもね。物語上そうは終わらないんですよね。
そりゃそうです、不穏な空気感は常に保たれてますから。
残念なのはここから拓司転落行為が、姉の愛人、中島をいかに下衆に描いていたとしても説得力に欠けてるように思えちゃうんですけど。![]()
物語上しようがないですかね。許しちゃいましょう。彼の育った環境と資質って事で。
だって、達夫のアパートの前に座り込んでる拓児を無言で殴っていく。あのシーンも良かったもんね。![]()
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池脇千鶴目当ては十二分に目的を果たして、おまけに菅田将暉くんまで付いてきてお得感半端ない。
函館競輪のVIPルームでの高橋和也とのわんこみたいなシーンも最高でしたよ。![]()
音楽もピンクっぽくて良いです。![]()
このとんでもなく素晴らしい監督は一体誰なの?
え、女流監督ですかー。いや、まいったな。脱帽。![]()
こういうのはできれば劇場で見たかったですね。立ち見では御免ですが。![]()
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仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……。
この映画、池脇千鶴が良いと言うので、二番館早稲田でかかっていた時、観に行こうとしたら、少し早目に行ったにも関わらず「立ち見になります」と言われ断念した経緯がある。綾野剛を侮っていたかなと思ったもんです。
その後、かなり作品として評判が良いらしいと聞いたので、新作価格でDVDレンタルしてみた。
いや、また凄い日本映画が現れたもんです。

この質感、不穏な空気感、語り口。低迷するピンク映画に逆スカウトしたくなる感じ。
役者のキャラ設定と演技、演出のなせる技なんでしょうか。
久しぶりに涙腺決壊されました。

綾野剛、菅田将暉、池脇千鶴の織りなす関係がビンビンに来るんですよね。

下品でも憎めないイイ奴。ヤニで黄色い歯が印象的な保護観察下の拓児役、菅田将暉は、仮面ライダーWの子(フィリップ)やないですか。あのファッションセンス、嫌いだったんですけど。今回の演技素晴らしいです。綾野剛のニヒルな感じとのコンビネーションが秀逸。左翔太郎とのコンビを越えましたね。

綾野剛という役者さんはCMで綾小路きみまろと比較されてる人ぐらいの知識しかなかったが、なるほどこれは女子が熱をあげるタイプではある。
でもこの綾野剛の魅力を引き出しているのは菅田君の存在あってこそじゃないでしょうか。

当初は私の好物であるダメ人間モノと思ったが残念ながらそうでは無いよう。何がしかの過去を引きずりニート生活をしているだけで、本来はできる男。
そこで一瞬、「なぁんだ」と思ったものの、そんな事を超越するモノがありグイグイ物語に引き込まれちゃいます。
拓児の最底辺の貧困家庭における姉ちゃんに池脇千鶴。この役作りのリアルさがもうメチャクチャ良いのです。

女優は様々な方法で役作りをするのでしょうけど、今回は肉体で表現してる感じ。もともとそういう肉体なのかどうなのか知りませんけど。めちゃくちゃ場末感のエロさがあるムッチとしたボディ。チャーハン作る二の腕。だらしなく痛んでいそうなロングヘア。

出会いから初めて口づけかわす瞬間。そこが海のシーン。

墓参りの話が出た後のセックス。このラブ・シーンで涙腺決壊。これほどまでに愛を感じるラブ・シーンって、たぐいまれ。

また、その後に中島(高橋和也、これまた好演)との愛のない、荒んだセックスで対比させる、絶妙さ。

闇のどん底から一瞬見える光明。例えここで単なるハートフルなハッピーエンドで終わったとしても私は文句はつけません。
でもね。物語上そうは終わらないんですよね。

残念なのはここから拓司転落行為が、姉の愛人、中島をいかに下衆に描いていたとしても説得力に欠けてるように思えちゃうんですけど。

物語上しようがないですかね。許しちゃいましょう。彼の育った環境と資質って事で。
だって、達夫のアパートの前に座り込んでる拓児を無言で殴っていく。あのシーンも良かったもんね。


池脇千鶴目当ては十二分に目的を果たして、おまけに菅田将暉くんまで付いてきてお得感半端ない。
函館競輪のVIPルームでの高橋和也とのわんこみたいなシーンも最高でしたよ。

音楽もピンクっぽくて良いです。

このとんでもなく素晴らしい監督は一体誰なの?
え、女流監督ですかー。いや、まいったな。脱帽。

こういうのはできれば劇場で見たかったですね。立ち見では御免ですが。


