「伝説の女優 桑野通子と桑野みゆき ――母と娘が紡いだ、一瞬の夢」
「淑女は何を忘れたか」1937年 松竹 監督:小津安二郎
大阪から押しかけて来た姪と、彼女に振り回される大学教授の叔父のやりとりを洒脱に描く、都会派喜劇の傑作。流行ファッションに身を包んで銀座を闊歩する桑野の姿は、最高にスタイリッシュ。
大学教授の小宮のところに大阪から姪の節子が泊まりにきた。節子は小宮の助手・岡田と意気投合する。土曜の昼下がり、小宮の妻・時子は無理やり小宮をゴルフに行かせて自分は芝居見物に行く。小宮は行く振りをして銀座へ向かい、そこで会った節子の頼みで芸者遊びに連れて行く。そうした一連の行動がバレて時子は激怒し小宮は逃げ出すが、節子に妻への弱腰を非難されて、家へと戻り時子に平手打ちを食らわす。呆然とする時子だったが、節子の釈明や小宮の謝罪もあって、時子もまた自分の至らなさを詫びる。翌日、大阪に帰る節子は岡田とお茶を飲みながら結婚について語り合うのだった。
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戦前の小津作品初体験。サイレントは観た事ないし。![]()
やはり、小津面白い。やばい・・・![]()
古き良きっていうか、現代にも通じる部分と、とても通じない部分の混ざり具合が面白い。
「恋も忘れて」で気に入ってしまった桑野通子さんは、今回の姪・節子は妙な大阪弁を使う点にやや難あり。![]()
それでも奥さんにやり込められるドクトル叔父さんの斎藤達夫の鳩尾に軽いパンチを食らわせる姿がキュートだったり。![]()
煙草をくゆらせながら芸者を見つめる眼差し。![]()
コートに帽子というスタイリシュな格好でスライドギターをバックに歩く後姿は流石です。
また斎藤達夫の飄々とした雰囲気も本作の大きな魅力。![]()
奥さんと仲直りして新聞で紙立てしながらニンマリとニヤケ笑いする表情が満点。![]()
ドクトル小宮の逆手論に一発で納得する節子の単純さも良い。
「秋日和」ではオヤジトークが光ったが、本作は火鉢を囲んで上流(?)マダムトーク。![]()
栗島すみ子、吉川満子に飯田蝶子。飯田蝶子もまだ若い1937年。「バカ!」「カバ!」![]()
栗島すみ子さん、眼鏡かけたおばさんだけれど口をあまり開かずに鼻にかかった声でしゃべる姿が妙に妖艶。![]()
亭主に打たれた事を惚気る。![]()
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さて、ラストシーンです。
1937年だというのに、これほどまでにエロティックなエンディングの邦画があるでしょうか。いや、まいりました。![]()
栗島さんエロすぎです。![]()
この夫婦の「コーヒー淹れましょうか」はイエス・ノー枕みたいなもんなんでしょ。
柱時計の鐘に合わせて各部屋の照明が消えて行き・・・
くどいようですが小津監督、生涯独身だったんだよな。![]()
岡田の佐野周二が家庭教師をしていると突貫小僧ら子供たちが地球儀を回しながらヘンテコな歌を歌ってる。
渡辺はま子の流行歌なんですね。![]()
とんがらかっちゃ駄目よ 渡辺はま子
「秋日和」(1960年)では娘の桑野みゆきが「紺碧の空」を歌っていましたが
本作では母親である桑野通子さん、大阪に帰る事になるが「早慶戦の頃にはまた戻ってくる」と言ってました。早稲田のファンなんですと。
戦前大人気の六大学野球に関してはもっともっと沢山知りたい。![]()
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神保町シアター
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「淑女は何を忘れたか」1937年 松竹 監督:小津安二郎
大阪から押しかけて来た姪と、彼女に振り回される大学教授の叔父のやりとりを洒脱に描く、都会派喜劇の傑作。流行ファッションに身を包んで銀座を闊歩する桑野の姿は、最高にスタイリッシュ。
大学教授の小宮のところに大阪から姪の節子が泊まりにきた。節子は小宮の助手・岡田と意気投合する。土曜の昼下がり、小宮の妻・時子は無理やり小宮をゴルフに行かせて自分は芝居見物に行く。小宮は行く振りをして銀座へ向かい、そこで会った節子の頼みで芸者遊びに連れて行く。そうした一連の行動がバレて時子は激怒し小宮は逃げ出すが、節子に妻への弱腰を非難されて、家へと戻り時子に平手打ちを食らわす。呆然とする時子だったが、節子の釈明や小宮の謝罪もあって、時子もまた自分の至らなさを詫びる。翌日、大阪に帰る節子は岡田とお茶を飲みながら結婚について語り合うのだった。

戦前の小津作品初体験。サイレントは観た事ないし。

やはり、小津面白い。やばい・・・

古き良きっていうか、現代にも通じる部分と、とても通じない部分の混ざり具合が面白い。
「恋も忘れて」で気に入ってしまった桑野通子さんは、今回の姪・節子は妙な大阪弁を使う点にやや難あり。

それでも奥さんにやり込められるドクトル叔父さんの斎藤達夫の鳩尾に軽いパンチを食らわせる姿がキュートだったり。

煙草をくゆらせながら芸者を見つめる眼差し。

コートに帽子というスタイリシュな格好でスライドギターをバックに歩く後姿は流石です。
また斎藤達夫の飄々とした雰囲気も本作の大きな魅力。

奥さんと仲直りして新聞で紙立てしながらニンマリとニヤケ笑いする表情が満点。

ドクトル小宮の逆手論に一発で納得する節子の単純さも良い。
「秋日和」ではオヤジトークが光ったが、本作は火鉢を囲んで上流(?)マダムトーク。

栗島すみ子、吉川満子に飯田蝶子。飯田蝶子もまだ若い1937年。「バカ!」「カバ!」

栗島すみ子さん、眼鏡かけたおばさんだけれど口をあまり開かずに鼻にかかった声でしゃべる姿が妙に妖艶。

亭主に打たれた事を惚気る。


さて、ラストシーンです。
1937年だというのに、これほどまでにエロティックなエンディングの邦画があるでしょうか。いや、まいりました。

栗島さんエロすぎです。

この夫婦の「コーヒー淹れましょうか」はイエス・ノー枕みたいなもんなんでしょ。
柱時計の鐘に合わせて各部屋の照明が消えて行き・・・
くどいようですが小津監督、生涯独身だったんだよな。

岡田の佐野周二が家庭教師をしていると突貫小僧ら子供たちが地球儀を回しながらヘンテコな歌を歌ってる。
渡辺はま子の流行歌なんですね。

とんがらかっちゃ駄目よ 渡辺はま子
「秋日和」(1960年)では娘の桑野みゆきが「紺碧の空」を歌っていましたが
本作では母親である桑野通子さん、大阪に帰る事になるが「早慶戦の頃にはまた戻ってくる」と言ってました。早稲田のファンなんですと。
戦前大人気の六大学野球に関してはもっともっと沢山知りたい。


神保町シアター

