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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「マダム・サタン」

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「映画史上の名作12」

「マダム・サタン」1930年 米 監督:セシル・B・デミル (デジタル)

浮気夫の心を取り戻そうと、飛行船での仮装パーティに”マダム・サタン”として乗り込んだアンジェラは・・・。上流階級の倦怠期夫婦のいざこざを発端に、事態はとんでもないスペクタクルへ!?

ヒッチコックの古い作品を観ようと出かけ、これはそのオマケ。チラシの内容さえ碌に見てなかった。
こういう掘出物に出くわすのが、このシネマヴェーラ2本立て特集「映画史上の名作」の醍醐味ですね。

上流階級の亭主ボブと貞淑な妻アンジェラ、ボブの親友独身貴族ジミー、ボブの情婦ダンサーのトリクシーによる艶笑コメディなんですけれど、最初のうちはボブの浮気があまりにも無防備で、「そりゃバレるだろうよ」と冷ややかに観ていたんですが・・・
浮気相手の娘トリキシーのアパートにジミーが訪ね、後を追うようにマダム・アンジェラがやってくる。そこにボブがトリクシーを訪ねてくるもんだから寝室騒動となる。
1930年のアメリカ映画で「風呂敷」「紙入れ」が見れるとは思わなかった。
流石、間男喜劇の王道、洋の東西を問わないって事か。
「風呂敷」「紙入れ」が見れただけで、もう大満足。こいつが前半の見せ場なんですが、後半はとんでもない狂気へ疾走する。

飛行船でのジミーが取り仕切る仮装パーティー。ここからは派手な仮装衣装でのミュージカル大サービスのエンターテイメントと風味がガラッと変わる。
近未来SF風のコスチュウムに仮装する上流階級アホ紳士淑女。

マダム・サタンに変装したアンジェラ。いつ夫に発覚するかと気を揉んでいると(仮面だけだからいい加減解りそうなもんだが、まあそれは良し)飛行船が悪天候により破壊墜落の危機となり、またまたがらり一変。今度はパニック・スペクタクルへ・・・

飛行船から次々にパラシュートで降下する乗客。
1930年、精一杯の特撮加工。これがいい味になってる。

なんというサービス精神に富んだコメディでしょう。呆れかえります。



ボブの情婦トリキシーは確実に敵役ではあるけれど何故か憎めないキュートさ。
酒場の歌手・踊り子。ピアノをバックに歌って踊るお稽古シーンの登場がイカしてます。
仮装パーティーで悉くマダム・サタンに持っていかれ地団駄踏む様子が可愛い。

ボブの方は奥さんを省みない浮ついた男であったけれど、結局最後はヒーローになっちゃって、まったくお目出度い。



それにしてアメリカさんも1930年ともなると物の考えはすべて男性側からという一方的男性社会。これぞ古き良きなんとやら・・・アワワ。
このあたりの時代を機に、上流階級が憧れの的から批判の的へ変化していったようで、この時代ならではの作品でもあるみたいです。



シネマヴェーラ渋谷




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