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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「三本指の男」

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本格ミステリ作家クラブ10周年記念企画「美女と探偵 〜日本ミステリ映画の世界〜」

「三本指の男」1947年 東映 監督:松田定次

戦後ミステリの幕を開けた「本陣殺人事件」の映画化。金田一耕助が民主主義の使者として密室の謎を解く。原作を読んでいれば驚倒必至。原節子の眼鏡っ娘ぶりも必見。

恥ずかしながら横溝正史は「犬神家の一族」くらいしか読んだ事が無い。読んだ事が無いどころか、数々の映画化ドラマ化された物さえまともには観ていないのです。奇跡的な事じゃない?
大きな忘れ物。

現代劇における片岡千恵蔵は、やっぱりおもろいわ(千恵蔵の時代劇というのも、これまた観てないのだけれど・・・)
大きな顔と、あの口調。

原作を読んでいなくても充分、驚倒。

三本指の男が登場(金田一の変装)して、あの口調を隠そうとする台詞もまったく徒労。そのまんま千恵蔵じゃないか。
千恵蔵と言えば変装名人のヒーローだが、どうしたってバレるだろうという所が、また良いんでしょうね。

痛ましい殺人事件の方は、怪文書の謎を解明しようと金田一が三本指の男に変装してウロウロした事が原因で起こっているじゃないか。

トリックが有名らしいが、こういうのが本格なのか。
凝りすぎで、強引すぎやしないか。
それでもこれを山田風太郎で読めば楽しんじゃう自分なのだけれど、横溝の原作はどうなんだろう。

片岡千恵蔵・金田一は事件解決に向けて柔道四段の男と格闘して背負い投げされたり、巴投げで倒したりアクション面も大サービス。

眼鏡っ娘助手の原節子だが、確かに美しいのだけれど今一つ納得しかねる女優さんだったが、丸眼鏡によってあの鼻が強調され見事に冴えないブス女になっている。ラストシーンで眼鏡をはずす事によって、なんとか美人女優の位置を守った。

ところで、この映画でもっともよろしかったのは、その眼鏡っ娘助手と金田一の関係。
汽車内で亀を通じた出会いから始まって、「女性に話す時はもっとデリケートに」なんて説教していたのが、唐突に「私の助手です」と紹介され、自然と推理捜査に協力する有能助手として活躍を始める静子はなかなかよろしかったです。

「本陣殺人事件」古本屋の百円コーナーで探してみよう。

神保町シアター

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