「マップ・トゥ・ザ・スターズ」2014年 米 監督:デヴィッド・クローネンバーグ
鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が、ハリウッドセレブの実態をシニカルに描いた人間ドラマ。ハリウッドでリムジン運転手をしていた脚本家ブルース・ワグナーが実際に体験した話を基に、富も名声も得た完璧なセレブ一家が抱える秘密を暴き出す。
セレブを相手にしているセラピストの父ワイス、ステージママの母クリスティーナ、人気子役の息子ベンジーから成るワイス家は、誰もがうらやむ典型的なハリウッドのセレブ一家。しかし、ワイスの患者で落ち目の女優ハバナが、ある問題を起こして施設に入所していたワイス家の長女アガサを個人秘書として雇ったことで、一家が秘密にしてきたことが白日の下にさらされ……。
闇を抱えたサイコな題材は面白いはずなのに、のめりこめないまま、乗りきれず終わっちゃたよ。
解りやすくふっきれてくれないので、悶々としてしまう。だからこそ重苦しく、後味の悪い嫌な印象を残す事に成功しているとも言えるんだろうけど、これが本来のクローネンバーグの手法芸風なんだとすると苦手かもしれない。
ただ一人、下品に吹っ切れているのが女優賞獲得のジュリアン・ムーアおばさん。今回、素晴らしいです。
決してトイレットシーンだけが語られるような演技であったり、作品であったりするべき物じゃないはずなんだが、やっぱりあの屁。いい屁をこいてくれちゃうもんだから・・・SEなんだろうけど、実に嗅覚を刺激する臭そうな便秘の屁でござんした。
期待のワシちゃん、今回は火傷の後を付けての登場だが、修復技術が進んでるのであまり目立たない。同時にキャラの気味悪さも地味目。もっと解りやすくしてしまうと作風が崩れるかもしれないが、ジュリアン・ムーアがあんだけやってくれてるんだから、もどかしい。こういう役は得意のはずだ。
気味の悪さならむしろ弟の方か。美形で大人になりきっていない体型の脆弱さ(驚異のなで肩)が不気味。でも、ピストルで遊んでるので嫌な予感がしたんだけれど、犬殺しでしかなかった。亡霊に惑わされての少年殺しも未遂に終わるし・・・。
ハリウッドゴシックなのでタイトルの意味は「ハリウッド・スターへの道」みたいなものかと思っていたら、そうではないのですね。
このタイトルセンスはなかなかよろしいし、下手な邦題を付けずにそのまま「マップ・トゥ・ザ・スターズ」としたところも好印象。
終始、眠たかったのもあるけれど、今回は撃沈。
早稲田松竹
鬼才デヴィッド・クローネンバーグ監督が、ハリウッドセレブの実態をシニカルに描いた人間ドラマ。ハリウッドでリムジン運転手をしていた脚本家ブルース・ワグナーが実際に体験した話を基に、富も名声も得た完璧なセレブ一家が抱える秘密を暴き出す。
セレブを相手にしているセラピストの父ワイス、ステージママの母クリスティーナ、人気子役の息子ベンジーから成るワイス家は、誰もがうらやむ典型的なハリウッドのセレブ一家。しかし、ワイスの患者で落ち目の女優ハバナが、ある問題を起こして施設に入所していたワイス家の長女アガサを個人秘書として雇ったことで、一家が秘密にしてきたことが白日の下にさらされ……。
闇を抱えたサイコな題材は面白いはずなのに、のめりこめないまま、乗りきれず終わっちゃたよ。
解りやすくふっきれてくれないので、悶々としてしまう。だからこそ重苦しく、後味の悪い嫌な印象を残す事に成功しているとも言えるんだろうけど、これが本来のクローネンバーグの手法芸風なんだとすると苦手かもしれない。
ただ一人、下品に吹っ切れているのが女優賞獲得のジュリアン・ムーアおばさん。今回、素晴らしいです。
決してトイレットシーンだけが語られるような演技であったり、作品であったりするべき物じゃないはずなんだが、やっぱりあの屁。いい屁をこいてくれちゃうもんだから・・・SEなんだろうけど、実に嗅覚を刺激する臭そうな便秘の屁でござんした。
期待のワシちゃん、今回は火傷の後を付けての登場だが、修復技術が進んでるのであまり目立たない。同時にキャラの気味悪さも地味目。もっと解りやすくしてしまうと作風が崩れるかもしれないが、ジュリアン・ムーアがあんだけやってくれてるんだから、もどかしい。こういう役は得意のはずだ。
気味の悪さならむしろ弟の方か。美形で大人になりきっていない体型の脆弱さ(驚異のなで肩)が不気味。でも、ピストルで遊んでるので嫌な予感がしたんだけれど、犬殺しでしかなかった。亡霊に惑わされての少年殺しも未遂に終わるし・・・。
ハリウッドゴシックなのでタイトルの意味は「ハリウッド・スターへの道」みたいなものかと思っていたら、そうではないのですね。
このタイトルセンスはなかなかよろしいし、下手な邦題を付けずにそのまま「マップ・トゥ・ザ・スターズ」としたところも好印象。
終始、眠たかったのもあるけれど、今回は撃沈。
早稲田松竹