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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ビバ!アルジェリア」

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「現代フランス映画の肖像 ユニフランス寄贈フィルム・コレクションより」

「ビバ!アルジェリア」2004年 仏 監督:ナディール・モクネシュ
原題:VIVA LALDJÉRIE

2003年冬、アルジェ。テロリズムの暴力が街を支配し始める頃、母親と娘、売春婦が中心街のとあるホテルに移り住む。
グセムは自由奔放に生きる女性。アルバイト先の写真館での仕事にも気が入らず、3年間付き合った妻帯者の医師との関係もうまくいかず、週末にはディスコで盛り上がる。親友のフィフィは権力者のもとで売春婦として働き、その庇護を受けている。母親のパピーシャはテレビの前でピザをほおばり、恐怖に苛まれながらも、かつてキャバレーでダンサーをしていた頃の輝かしい日々を懐かしんでいる。グセムが気まぐれでフィフィの客からある物をくすねたことからある事件に巻き込まれる。

アルジェリアでは、1990年代テロが横行し、10万人の市民がテロのために命を落としたとか。本作は、テロが漸く治まりつつあるアルジェを舞台にした女性映画だ。

グセムを演じるリュブナ・アザバルは時に民族衣装風なものを纏いながら、アルジェの街を颯爽と歩く。大股でぐんぐん歩く強さからアラブ系女性(アラブ系女性の気質がどんなものだか知識が無いので)って気性が強いんだなぁ。などと勝手に思う。
脱ぐとあんまり美しくないけど、そのルックスはかなり強烈。でもこの方、アルジェリア人じゃなくベルギーの人らしい。

ルックスの強烈さでいえばその上を行くのが母親パビーシャだ。ほとんど魔法使いのコスプレをしたオカマといった風情。
この方は有名な歌手だそうで、劇中でもキャバレー時代の知り合いが経営する店で歌手としてこれまたインパクトの強い歌声も披露してくれる。

活発な娘が生きにくい国で挫折感を味わい、この国を脱出することなく生きていくのに対して、夢ばかり追い求めていた母の方が、ちゃっかり夢を敵えてしまう皮肉な展開が面白い。

それにしても何故、「ビバ!アルジェリア」などという手抜きなタイトルにしたのだろう。
撮影は、当時としては珍しく、アルジェリアで行われ、マグレブの都市空間の魅力が作品にたっぷり盛り込まれている。
日本でアルジェリアの風景を堪能する事が稀少な体験であるのと同様フランスでも珍しい事だったって事でしょう。

確かに、アルジェの夜景、交通量、墓地、結婚式、雑踏、地中海を見下ろす丘。3人の女性以上に映画の主役を張っています。



京橋 フィルムセンター

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