「日本映画の黄金期を担った脚本家 巨星・橋本忍」
「奴が殺人者だ」1958年 東宝 監督:丸林久信
隅田川に上がった麻薬密売人の死体、麻薬取締官の石原は、捜査のため組織に潜入するが・・・。中丸忠雄の初々しい演技が見られるサスペンス映画の佳作だが、ヤク中の殺し屋「ヤッパの竜」を演じた天本英世の怪演が全てを食ってしまう。禁断症状による錯乱演技の凄まじさはまさに伝説!
天本英世の怪演で有名な本作。長らく観たい作品リスト(とても曖昧になってますけど)に残ってた奴。
今回、知らなかった脚本・橋本忍の事実。特集で見た限り、その脚本の妙が素晴らしいので鑑賞前の期待度がグングン上がってしまった。
ところが橋本忍の脚本というよりも紹介文にある通り、ぜ~んぶ天本英世が持っていってしまったような作品で拍子抜け。
勿論、若い天本英世の薬中演技だけでも見る価値は充分ある。どうしても見ておきたい1本である事は間違いなし。
細身長身で蝕まれた歯なんかホンモノのペイ中です。
麻薬捜査官の佐藤允が囮捜査で天本英世と殺し屋コンビを組む。
個性派二人のコンビ。決して相手を信用する事はないのだけれど、そのうち・・・
佐藤允の型破りな感じが役に合っていて、例によってカッコ良いのです。
舞台は夏場の東京で、当時より今の東京の方が遥かに暑いはずだけれど、何しろ当時は冷房なんてものは無かったので、ほっと一息付く事ができない厳しさ。
土屋嘉男と中丸忠雄の猛暑聞き込み捜査シーンがひとつの見ものになってる。下着なしの開襟シャツににじむ汗。
薬缶の氷水でつかの間の涼をとったり・・・
麻薬にからんでしまった多くの人物。一網打尽という事にはならず、事件は解決したようなしないような、うやむや感。
佐藤允の婚約者で土屋嘉男の妹が横山道代。これがなかなかよろしい。
事件の鍵を握る湯本(実は佐藤允と天本英世の標的だが商社マン岡崎を名乗る)の婚約者が峯京子で横山道代と2人は親友。
婚約の決まった同士でも横山道代は峯京子に羨望の情を持っている。このサイドストーリー的設定がラスト展開のミソであり脚本の光る部分だったかも。
シネマヴェーラ渋谷
「奴が殺人者だ」1958年 東宝 監督:丸林久信
隅田川に上がった麻薬密売人の死体、麻薬取締官の石原は、捜査のため組織に潜入するが・・・。中丸忠雄の初々しい演技が見られるサスペンス映画の佳作だが、ヤク中の殺し屋「ヤッパの竜」を演じた天本英世の怪演が全てを食ってしまう。禁断症状による錯乱演技の凄まじさはまさに伝説!
天本英世の怪演で有名な本作。長らく観たい作品リスト(とても曖昧になってますけど)に残ってた奴。
今回、知らなかった脚本・橋本忍の事実。特集で見た限り、その脚本の妙が素晴らしいので鑑賞前の期待度がグングン上がってしまった。
ところが橋本忍の脚本というよりも紹介文にある通り、ぜ~んぶ天本英世が持っていってしまったような作品で拍子抜け。
勿論、若い天本英世の薬中演技だけでも見る価値は充分ある。どうしても見ておきたい1本である事は間違いなし。
細身長身で蝕まれた歯なんかホンモノのペイ中です。
麻薬捜査官の佐藤允が囮捜査で天本英世と殺し屋コンビを組む。
個性派二人のコンビ。決して相手を信用する事はないのだけれど、そのうち・・・
佐藤允の型破りな感じが役に合っていて、例によってカッコ良いのです。
舞台は夏場の東京で、当時より今の東京の方が遥かに暑いはずだけれど、何しろ当時は冷房なんてものは無かったので、ほっと一息付く事ができない厳しさ。
土屋嘉男と中丸忠雄の猛暑聞き込み捜査シーンがひとつの見ものになってる。下着なしの開襟シャツににじむ汗。
薬缶の氷水でつかの間の涼をとったり・・・
麻薬にからんでしまった多くの人物。一網打尽という事にはならず、事件は解決したようなしないような、うやむや感。
佐藤允の婚約者で土屋嘉男の妹が横山道代。これがなかなかよろしい。
事件の鍵を握る湯本(実は佐藤允と天本英世の標的だが商社マン岡崎を名乗る)の婚約者が峯京子で横山道代と2人は親友。
婚約の決まった同士でも横山道代は峯京子に羨望の情を持っている。このサイドストーリー的設定がラスト展開のミソであり脚本の光る部分だったかも。
シネマヴェーラ渋谷