「ひつじ村の兄弟」

「ひつじ村の兄弟」2015年　氷・丁　監督：グリームル・ハゥコーナルソン
HRUTAR/RAMS

アイスランドの人里離れた村で羊を育てる老兄弟グミー（シグルヅル・シグルヨンソン）とキディー（テオドール・ユーリウソン）は隣同士に住んでいるが、40年間話をしたことがない。兄弟の羊は国内随一の優良種だったが、ある日、キディーの羊が疫病に侵されてしまう。感染の恐れがある地域の全ての羊が殺処分されることになったが、兄弟は自分たちの羊を諦めることができず、協力し合うことにする。

北欧映画特有のビートが好きなんで、こういうのは良いです。少し眠くなるけど。

出来る事なら羊年のうちに観ておきたかったです。
人口25万に対し羊10万頭というアイスランド。

爺ぃ兄弟が主役ですが、羊がとても良いです。モフモフとカールした角、優良種だけあって動物園などで見る羊より神々しく見えるのは気のせい？

雄羊の精力絶倫ぶり、禁欲クソ食らえの突進。

羊のモフモフと爺ぃのモジャ髭の関係は、ユーモアを伴いながら歪みを帯びていて良い感じ。

2人の兄弟の反目しあいながらも、兄弟である、という微妙な関係がユーモアで表現され、ラストに効いてくるのね。

静かに進む物語の終盤、匿った羊と、40年ぶりに力を合わせた兄弟の命がけの逃避行。
親の代から引き継いだ優良種は守る事は出来るのか･･･
そして、意表を突くエンディング。まさか、爺ぃのこんな絵を見せられるとは思わなかった。

でも、これがまたジンワリとした感動を生むんですね。老いた白い裸の絵から2人の仲が良かったであろう幼い頃の記憶（回想シーンとか一切本編中で出すような事はしていないけれど）が脳内で走馬灯のように蘇る。
良い作品でした。

一番大切な物は何か･･･って事。
でも、観ている方は弟の事より、やっぱり羊たちが気になるよね。優良種は繋いで欲しかったな。

老人と言っても60歳前後でしょうか？
髭面により年よりも老けて見えるのでしょう。
爺ぃには違いないが老人と言うには若い（自分も近くなってる身としては）
裸がもっと老人斑点とかで汚なければ尚良かったんだけど。