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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「イット・フォローズ」

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「イット・フォローズ」2014年 米 監督:デビッド・ロバート・ミッチェル

19歳の女性ジェイが男友達と関係を持ったところ、彼に車いすに縛り付けられ、あるものをうつしたと告げられる。それは、うつされた者にしか見えない何かがゆっくりと近づいてきて、それに捕まれば死が待ち受けているという恐ろしいものだった。また、誰かと関係を持つとその恐怖を相手にうつすことができるが、その相手が死ぬと自分に戻ってくるという。ジェイはいつどこで現れ彼女を追うか知れぬ謎の恐怖に苛まれていく……。



感染する恐怖。何者かに追われる恐怖。過去からあるベーシックな題材でありながら何故か新鮮、新感覚なホラー。
性交渉によって感染するというのはどう考えても性病を想起させ、若者の安易なセックスへの警鐘と考えるのは自然と思うけど、監督は「そういうテーマじゃないよ」って言ってるらしい。

個人的には主人公ジェイの幼馴染でファースト・キスの相手でもある男の子ポールくんの心情描写。
彼の方は今も仄かに彼女に思いを寄せているようなのに、ジェイは彼を異性として見ていない。この痩男の片想いの心情がとてもキュンキュン来ましたね。
彼女を助けるため(それは半分で本音はヤリたいんですね)志願するけれど、よりによって別の友達、鈍感単純男グレッグ(過去にジェイと関係があり、Itの事を恐れていないから大丈夫そうという事で)に感染させてしまうジェイ。



昔からしょうもない痩男の片想いには感情移入しやすいもんでね。小倉一郎ファンとしては・・・
そういう意味では最終的に本懐遂げて手を繋いでるラストは好みじゃないんですけど。ま、確実にItが迫ってくるラストでハッピー・エンドってわけではないので良しとしますか。

ジェイの方も移されたヒューの言うように行きずりの男に移して逃れる方法(時間稼ぎでしかないようですが)は取らない。いい娘なんですよ。決して真っ先にホラー映画の餌食になるようなヤリマン女ではないのです。

見ているとだんだん「あれがItじゃないか?」って観客も疑心暗鬼になって来ます。そういう意味では校内のエキストラの使い方とか巧みと思いました。
実際、Itは感染者の目には映るのですが、このキモさ加減もいいですね。屋上で全裸仁王立ちのオヤジとか。「進撃の巨人」の巨人のキモさに通じる感じ。
歩いてしか来ないので、車で逃げるとか、対処する方法はある。どうにも対処のしようがない敵の恐怖とは違ったものです。ただいつでも心静まらず油断はできません。厭らしいですね。



私の苦手で嫌いなビックリさせて怖がらせようという手法も使われますが、このItだと許せる感じがするので不思議。



主演のマイカ・モンローは顔の美しさもあることながら腹とか肩とかのシェイプアップされた感じが魅力的。スクリーンの中でとてもフォトジェニックな存在で見惚れます。自宅のプール、学校のプール、当然水着シーンが良いです。





学校のプールのシーンは「僕のエリ・・・」を思い出しましたが、銃で撃たれたItが出血するっていうのは残念な描写と思いました。せっかくの意味不明さが薄れてしまうものね。
吸血鬼物の「僕のエリ」とは違いますから。でもやりたかったんでしょうね、あのプールに血がもくもく湧き上がるシーン。

後半、ちょっと残念なところもありましたが、新感覚ホラーとしてとても面白く、怖がらせる技術もあるみたいですので・・・
監督は新進気鋭と言う事で今後も期待したいですね。







池袋 シネマロサ

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