Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「天国の晩餐」

$
0
0
「キューバ映画特集 革命映画から映画革命へ」

「天国の晩餐」1978年 玖 監督:トマス・グティエレス・アレア
LOS SOBREVIVIENTES

革命などつぶれると信じてキューバに留まった歴史あるオロスコ一族。闇物資を手にし、アメリカの侵攻事件にも喜ぶ当主だが、革命政権は倒れない。一家の生活は苦しくなり、召使いやお抱えの農民たちも逃げてゆく、世の中から隔絶した豪邸を舞台に、ブニュエル作品を思わせるブラックな感覚に満ちた作品。

59年1月のキューバ、フィデル・カストロによる革命が成功し、多くのブルジョワたちは国を離れたが、15世紀末の、最初の植民者を先祖に持つオロスコ家は、この革命は長続きしないという当主セバスティアンの信念のもと当地にとどまり、多額の金を持ち出して闇物資を仕入れた。61年4月、米国CIAによる反革命軍の上陛に一家は狂喜するが、結局彼らは4日間で敗走し、幻想を打ち砕かれる。62年10月、ソ連のミサイルが配備されたことを口実に、米国はキューバの海上封鎖を通告し、核戦争を恐れた一家は地下室に潜むが、何も起こらず革命もつぶされなかった。数年後、財政がひっ迫したオロスコ家から農民が逃げ、次いで召使いたちも一家に反抗し、邸を後にした。セバスティアンの死後、彼の娘婿ヴィセンテが当主になる頃には、一家は飢えに苦しみ、猫さえも夕食の献立にする。一家は、一歩一歩崩壊の道を辿ってゆくのだった……。



「ある官僚の死」を7年前に観た時、トマス・グティエレス・アレア監督の名前は憶えておこうと思いながらすぐに忘れておりました。
キューバ映画特集といえば何か面白い監督居たっけなぁと調べて思い出しました。やはり今回も複数の作品がラインアップされています。

これがまたラテン・アメリカ式痴れ者作品。チラシ宣伝にもあるように「ブニュエル作品を思わせるブラックな感覚。」てのは要はラテン・アメリカなのだね。
実は前半部で少し眠ってしまったのだけれど・・・
ブルジョワ一家の人々の関係性が頭に入っていない状況。
中盤以降オロスコ家が凋落していくあたりからお目々パッチリ、ノリノリで見れた。
広い屋敷の塀の中での農民一揆。
ユーモアやギャグは比較的解りやすいベタなものが多い。
どんどん財政がひっ迫されてきて、食卓もどんどん寂しいものになってくる。
猫を発見すると皆で猟銃を構えて仕留めにかかる。
若者からついに「自ら働くべきだ」との意見が出始めるあたりからラストに向かうあたりは圧巻。



そもそも、人間関係が理解できてないので、恋に落ちる男女が「あれ、兄妹じゃなかったんだ?」とか思うけど、仮にこれが近親相姦であっても一向に問題ない痴れっぷりだし、むしろその方が面白い。
ソフトフォーカス。スローモーションの恋愛シーンはおちょくってますね。
食べ物が無くなってきて、一人、一人と減って行く過程となれば当然、カンニバリズム方面への発展があるんかなと思うが、そういう直接的な表現は無かったように思う。これとて、こっちが見逃してるだけでさりげなく人肉食していても一向におかしくない痴れっぷりが良いです。

時代の変化に対応できず購い続ける老人たちの姿が愛おしい。
どこまでもオロスコ家の記録を書き続ける事を使命としていたり、とにかく痴れてます。
機会があれば、もう一回最初からちゃんと観たい。



京橋 フィルムセンター小ホール
観賞後、「キューバ映画ポスター展」観覧。

にほんブログ村 映画ブログへ blogram投票ボタン




Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles