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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「草原の実験」

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「草原の実験」2014年 露 監督:アレクサンドル・コット
ISPYTANIE/TEST

少女は、心地よい風が吹き渡る草原にぽつんと立つ家で父親と2人で生活していた。仕事に出て行く父を見送った彼女は、スクラップブックを眺めたり、トラックの荷台を掃除したりしながら時を過ごす。そんな美しい彼女に地元の少年や、風来坊の少年が好意を抱き……。



これも見逃してた映画。ロシアの美少女映画って事で。
台詞を一切使わないという縛りを設けていますので表情からビンビンと読み取れる(想像できる)心情が素晴らしい。
そして自然を捉える美しい映像。
見渡す限りの大平原。それだけでも充分、絵になる素材なんですけど、カメラの捉える視点は芸術的にそれ以上の美しさを醸す。
湧水が蛇のようにのたくり流れる様。
少女が長い髪を梳く彼方に重なる夕陽。
翼のないプロペラ機のシーンなんて、まるでジブリのアニメ(多分、影響あるでしょう)みたい。あの世界観を実写でやるのが凄い。

そもそも草原の「実験」とは何なのか。
この作品自体が実験であるという意味なのかしらと持っていると、豪雨の夜から何やら不穏な雰囲気。
その後の描写からも「実験」の真相は容易に察知できるのですが、察知していてもあのラストには驚愕を禁じえません。が・・・。

この実験的作品、個人的にはとても残念なシーンがあり、一気に気持ちが萎えてしましました。
リアリティというものを論じる作品でない事は承知の上でもあれは無い。
というのはしゃべらない縛りの中で久しぶりに帰還した父親に銃を向ける緊張の一瞬。
おまえ唖じゃねぇんだから声を発っせればそんな誤解はあり得んだろう。あのシーンだけは必要ないチョンボと思えてしょうがなかった。

撮影当時15歳だったというエレーナ・アンの正当派美少女ぶりを見るだけでも充分価値のある作品。
物語の途中とある事情で彼女は髪を切りますが、ショートヘア・フェチの私でも彼女はおさげやロングの方が絶対に良いです。(ショートが中途半端だったせいかもしれないけど)





それと、カメラ小僧の笑顔。気色悪くて好きになれんかった。

ただ、とても観賞後もインパクトを残す良い映画ではありましたよ。惜しいな、あのシーン・・・
アレクサンドル・コット監督の次回作が大いに気になるところ。







下高井戸シネマ

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