「恋する私の不思議な世界」
「アメリ」2001年 仏 監督:ジャン・ピエール・ジュネ
小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリ。22歳になった今でも、モンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。そして、あることをきっかけに、他の人を幸せにすることに喜びを見出したアメリ。他人の人生にこっそりおジャマしてはたのしい悪戯を仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。そんなアメリも自分の幸せにはまったく無頓着。ある日、不思議な青年ニノに出会ったアメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ない……。
ユジク阿佐ヶ谷に初見参。
上映ラインナップがレンタル屋の店頭に普通に並んでいる旧作だったりする。実はこういうラインナップは大変好もしいと思うのです。
借りようと思う作品は多いもののいつでも借りられる感でズルズルべったり後回し。それが劇場上映となると公開期間が限られるため非常に背中を押されるような気持ちになるんです。
これで、劇場がフィルム上映館なら言う事無しなんですが時節柄そういう訳にはいかないやね。デジタル上映。
今回、まさにそんな作品、是非とも見たかったオドレイ・トトゥの出世作「アメリ」
監督は「デリカテッセン」のジャン・ピエール・ジュネで、内容からして今回は光る映像センスがよりおしゃれアート系となって、出産シーンばっちりのオープニングからとにかく絵作りとして様子が良いのです。
アメリの生い立ちを追う子役のブサイクさが実によろしい。後に美しいオドレイ・トトゥにすんなり引き渡される。これはオドレイ・トトゥが単なる美人じゃなくて、ある時は美しく、可愛く、またある時はブサイクで老け顔になるという豊かな魅力を持っていて、また、こじらせた感じの女の子役がピッタリだから、あのブサイク子役に違和感が無いのでしょう。
当時、オドレイ・トトゥ25歳、うたかたの日々でなんと37歳。この人はお婆ちゃんになった時にどんな美しい婆ぁになるかが楽しみな、そんな女優さん。
とにかくロマンチックこの上ないじゃないですか。例えばリアルで初々しいデートの日、気張っておしゃれで美味しいスイーツの店に女の子を連れていくなんて事があればそりゃ多少はロマンチックで幸せな気分になりもするが、なかなかこの作品観賞のように完璧なロマンチック気分にはなれないだろう。そうやってこっちもリアルより、おしゃれ映画へどんどん埋没、こじらせていくんだな。
アメリの探偵ぶりや悪戯が楽しい。
見つけた宝物を持ち主を探して返してあげるなんて行為は伊集院光氏の趣味だが、ここから来てんのかな。
脇役陣も曲者揃いで、誰ひとりとして退屈な奴は出てこない。
悪戯に翻弄される八百屋も良いが、私は八百屋の与太郎がお気に入り。
アメリが溶けてなくなったり、料理をしながら左上の妄想シーンがあったり、絵画がしゃべったり・・・
こういう技の使いようにまったく嫌味さを感じさせない技量の裏付け。
物がユサユサと動く描写でセックスを現すという手法をまたやっていやがる。これ、監督好きなんだね。
不干渉気味のアメリの初体験とか、15組の絶頂とか、セックスはどれもコメディタッチに描かれているけれど妙にエロチックでもあるのがイイ。
ラストのアート的なスピード感と多幸感は強烈な余韻を残す名シーン。
この手の女子が好みそうなロマンチック作品で、こっちもツボに嵌るっていうのが往々にしてあるんだけれど、傑作の証。案外好きなんですよね。
もちろん音楽も素敵でした。
ユジク阿佐ヶ谷
「アメリ」2001年 仏 監督:ジャン・ピエール・ジュネ
小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリ。22歳になった今でも、モンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。そして、あることをきっかけに、他の人を幸せにすることに喜びを見出したアメリ。他人の人生にこっそりおジャマしてはたのしい悪戯を仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。そんなアメリも自分の幸せにはまったく無頓着。ある日、不思議な青年ニノに出会ったアメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ない……。
ユジク阿佐ヶ谷に初見参。
上映ラインナップがレンタル屋の店頭に普通に並んでいる旧作だったりする。実はこういうラインナップは大変好もしいと思うのです。
借りようと思う作品は多いもののいつでも借りられる感でズルズルべったり後回し。それが劇場上映となると公開期間が限られるため非常に背中を押されるような気持ちになるんです。
これで、劇場がフィルム上映館なら言う事無しなんですが時節柄そういう訳にはいかないやね。デジタル上映。
今回、まさにそんな作品、是非とも見たかったオドレイ・トトゥの出世作「アメリ」
監督は「デリカテッセン」のジャン・ピエール・ジュネで、内容からして今回は光る映像センスがよりおしゃれアート系となって、出産シーンばっちりのオープニングからとにかく絵作りとして様子が良いのです。
アメリの生い立ちを追う子役のブサイクさが実によろしい。後に美しいオドレイ・トトゥにすんなり引き渡される。これはオドレイ・トトゥが単なる美人じゃなくて、ある時は美しく、可愛く、またある時はブサイクで老け顔になるという豊かな魅力を持っていて、また、こじらせた感じの女の子役がピッタリだから、あのブサイク子役に違和感が無いのでしょう。
当時、オドレイ・トトゥ25歳、うたかたの日々でなんと37歳。この人はお婆ちゃんになった時にどんな美しい婆ぁになるかが楽しみな、そんな女優さん。
とにかくロマンチックこの上ないじゃないですか。例えばリアルで初々しいデートの日、気張っておしゃれで美味しいスイーツの店に女の子を連れていくなんて事があればそりゃ多少はロマンチックで幸せな気分になりもするが、なかなかこの作品観賞のように完璧なロマンチック気分にはなれないだろう。そうやってこっちもリアルより、おしゃれ映画へどんどん埋没、こじらせていくんだな。
アメリの探偵ぶりや悪戯が楽しい。
見つけた宝物を持ち主を探して返してあげるなんて行為は伊集院光氏の趣味だが、ここから来てんのかな。
脇役陣も曲者揃いで、誰ひとりとして退屈な奴は出てこない。
悪戯に翻弄される八百屋も良いが、私は八百屋の与太郎がお気に入り。
アメリが溶けてなくなったり、料理をしながら左上の妄想シーンがあったり、絵画がしゃべったり・・・
こういう技の使いようにまったく嫌味さを感じさせない技量の裏付け。
物がユサユサと動く描写でセックスを現すという手法をまたやっていやがる。これ、監督好きなんだね。
不干渉気味のアメリの初体験とか、15組の絶頂とか、セックスはどれもコメディタッチに描かれているけれど妙にエロチックでもあるのがイイ。
ラストのアート的なスピード感と多幸感は強烈な余韻を残す名シーン。
この手の女子が好みそうなロマンチック作品で、こっちもツボに嵌るっていうのが往々にしてあるんだけれど、傑作の証。案外好きなんですよね。
もちろん音楽も素敵でした。
ユジク阿佐ヶ谷