「悦楽交差点 オンナの裏に出会うとき」2015年 オーピー映画 監督:城定秀夫
フリーター・春生が繁華街で交通量調査をしている。「千人目は俺の嫁…」その時、春生の目の前を若い女が通り過ぎ、手元のカウンターが千を打った。
5年後。仕事を終え、ぼろアパートに帰った春生に微笑む、壁一面に貼られた女の写真。かつて繁華街で見た女・真琴だ。双眼鏡で向かいの家を覗くと、幸せそうに食事をする真琴と夫・幹也。あの日から5年間、粛々とストーキング行為を続け、今では彼女の行動記録ノートも10冊を超えていた。
城定秀夫という脚本家であり映画監督がピンク映画に戻ってきてくれた事が本当に嬉しい。
ごくごく、たまにハっとするような佳作に出会うピンク映画ではあるけれど、言っちゃ悪いが他の監督さんたちとはモノが違う、頭一つ抜けてる感じがする。
本作も実に素晴らしかった。
中盤までは単なるありがちなストーカー作品という態で進みながら、あっと驚く逆転劇。
今までストーカー春生視点での展開が真琴側からなぞられ真相が解る仕組み。なんて言うとこれまた、よくあるパターンに思えるけれど、実際、その衝撃的に驚かされる手腕はただものでは無いと思うのです。
2015年ピンク大賞は山内大輔監督作品に譲ったそうですが個人的には圧倒的にこちらに軍配ですね。
ピンク大賞どころか一般映画も含めて本年暫定一等賞か。(作品としては去年の旧作だけど・・・)
楚々とした古川いおりがとても良い。特に強かな本性が解ってからのツンデレ(否、デレは無い。おセックスさせてくれるだけ)春生に「しゃべらないで!」と一喝する女王ぶりに痺れてしまう。
観客であるこちらまで翻弄されている感じで潜在的M心に火を灯されるといった塩梅。
「綺麗で幸福そうなオンナにも裏がある」そんな誰でも想像のつく常識を、まったく新発見のように気付かされるのは、やっぱり脚本・構成の妙なのか。
春生が妄想を高めながら性欲処理の相手に使っているのが安いおデブ売春婦、ミチコ。これが佐倉萌さんなんですね。いつの間にか丸顔に磨きがかかってる・・・。しっかり業界で生きておられる姿に涙。素晴らしいじゃないですか。
今度、佐倉萌特集やってよ、オークラさん。
エロ方面も文句無し。古川いおりのボディと演技にぬかりは無く、彼女の亭主の浮気相手のOL福咲れんもキュートで可愛い眼鏡巨乳ちゃんだ。
城定作品にしては雰囲気は幾分重いように感じたが、ラストではいつもの軽快な音楽を使ってHAPPYな気分にさせる。
決してとって付けたようには思えない。それはもう、すっかり城定作品の虜だからです。
当分はハズレ無しが保障されそうなので今後も作品公開時は見逃さぬよう・・・
上野オークラ劇場
フリーター・春生が繁華街で交通量調査をしている。「千人目は俺の嫁…」その時、春生の目の前を若い女が通り過ぎ、手元のカウンターが千を打った。
5年後。仕事を終え、ぼろアパートに帰った春生に微笑む、壁一面に貼られた女の写真。かつて繁華街で見た女・真琴だ。双眼鏡で向かいの家を覗くと、幸せそうに食事をする真琴と夫・幹也。あの日から5年間、粛々とストーキング行為を続け、今では彼女の行動記録ノートも10冊を超えていた。
城定秀夫という脚本家であり映画監督がピンク映画に戻ってきてくれた事が本当に嬉しい。
ごくごく、たまにハっとするような佳作に出会うピンク映画ではあるけれど、言っちゃ悪いが他の監督さんたちとはモノが違う、頭一つ抜けてる感じがする。
本作も実に素晴らしかった。
中盤までは単なるありがちなストーカー作品という態で進みながら、あっと驚く逆転劇。
今までストーカー春生視点での展開が真琴側からなぞられ真相が解る仕組み。なんて言うとこれまた、よくあるパターンに思えるけれど、実際、その衝撃的に驚かされる手腕はただものでは無いと思うのです。
2015年ピンク大賞は山内大輔監督作品に譲ったそうですが個人的には圧倒的にこちらに軍配ですね。
ピンク大賞どころか一般映画も含めて本年暫定一等賞か。(作品としては去年の旧作だけど・・・)
楚々とした古川いおりがとても良い。特に強かな本性が解ってからのツンデレ(否、デレは無い。おセックスさせてくれるだけ)春生に「しゃべらないで!」と一喝する女王ぶりに痺れてしまう。
観客であるこちらまで翻弄されている感じで潜在的M心に火を灯されるといった塩梅。
「綺麗で幸福そうなオンナにも裏がある」そんな誰でも想像のつく常識を、まったく新発見のように気付かされるのは、やっぱり脚本・構成の妙なのか。
春生が妄想を高めながら性欲処理の相手に使っているのが安いおデブ売春婦、ミチコ。これが佐倉萌さんなんですね。いつの間にか丸顔に磨きがかかってる・・・。しっかり業界で生きておられる姿に涙。素晴らしいじゃないですか。
今度、佐倉萌特集やってよ、オークラさん。
エロ方面も文句無し。古川いおりのボディと演技にぬかりは無く、彼女の亭主の浮気相手のOL福咲れんもキュートで可愛い眼鏡巨乳ちゃんだ。
城定作品にしては雰囲気は幾分重いように感じたが、ラストではいつもの軽快な音楽を使ってHAPPYな気分にさせる。
決してとって付けたようには思えない。それはもう、すっかり城定作品の虜だからです。
当分はハズレ無しが保障されそうなので今後も作品公開時は見逃さぬよう・・・
上野オークラ劇場