Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「幸福はあの星の下に」

$
0
0
「愛と哀しみの迷宮(ラビリンス) メロドラマの深き谷を歩め」

「幸福はあの星の下に」1956年 東宝 監督:杉江敏男 35mm

芸が看板の新橋芸者八千代はもう四十才、家も建てたし、売れッ妓の小鈴を抱えて繁昌しているが、ある日、八千代の養女で舞踊研究所をやっている花柳三千代から、七条紀康のバー「驢馬」が経営難だときくと、自分の家を抵当に入れて百万円の金を融通したのも、二十年前の愛人紀康と、生まれると直ぐ手放した紀幸を思えばこそである。その頃、紀康の病妻幸子は焼け跡の小住宅で良人と息子に看とられながら、息を引きとった。



見どころは二つ。

冒頭での岡田茉莉子踊りのお稽古。
おさげ髪にセーターの上から法被状のものを羽織って。1958以前のお譲さん茉莉子も可愛らしい。

新橋芸者の木暮三千代(八千代)と芸者を引退して絵描きの亭主を持つ花井蘭子(三千代)の絶妙な掛け合い。
姉貴気取りでおせっかいな花井蘭子が木暮三千代の心情をまったく解ってないのもいいね。

純情マザコン青年の久保明が「芸者は社会のゴミだ」なんて暴言に岡田茉莉子暴走。
でも岡田茉莉子もメチャ純情でパトロンと褥なんて想定外で普通のお譲さんに戻って行く。
それだけにプロ木暮三千代のラストが光る。
それにしても上原謙の凡庸な事ったら、芸風なんですね。

久保明の紀行さんは高い志で将来政治家になって「芸者の子」なんて不幸を無くすんですって。
晴れて政治家となった暁に、明烏の時次郎みたいに味をしめて、芸者に不義の子を胎ますという後日譚を是非観てみたい。



しかし、このタイトル何と読むんですか。やはり幸福と書いて「しあわせ」でしょうね。調べるのも億劫だが。いや、INDEXの関係で・・・

シネマヴェーラ渋谷

にほんブログ村 映画ブログへ blogram投票ボタン

Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles