没後10年/『実相寺昭雄 才気の伽藍』刊行記念
「実相寺昭雄 特撮オールナイト 第2夜」
昨年末の第1夜は既観賞作品が多かったのでパスしたが、今回はTVシリーズ「シルバー仮面」を見る事が出来るってんで参戦。もっともトークショーのひし美ゆり子さんが参戦動機に大きく関わっているのは間違いない。オールナイトはキツいんですけど・・・
トークショー
樋口尚文さん(映画評論家・監督)×ひし美ゆり子さん(女優)×三輪ひとみさん(女優)+中堀正夫さん(撮影監督)
当初、撮影禁止でしたが、ひし美さん、三輪さんのご好意で撮影許可となりました。
まもなく古希を迎えるひし美ゆり子さんは、ルックス的にはとてもお若く、可愛らしい。
ノリがギャル的というかオバハン的というか、ちょっと痛いキャラ。
「私は知性とは無縁です」というキャラを武器として可愛いんだけど、ウルトラ警備隊員であるアンヌのキャラとしては知性のあるフリもして欲しい・・・。
親子ほど違う三輪ひとみさんの知性に「お若いのにしっかりしてる」ですって。
ひし美さん中心にウルトラセブン第12話解禁復活の話で盛り上がる。ここ新文芸坐のスクリーンで実現すれば、ホント快挙だけれどいろいろ難しい面もありそうです。
途中から実相寺組の撮影監督、中堀さんが加わり実相寺監督のぬいぐるみ好き話。溺愛長男(ぬいぐるみですよ)のエピがかなり変態的でもっと聞きたかった。
樋口尚文さんの著書「実相寺昭雄 才気の伽藍」現場購入者へのお土産で「呪いの壷」のお寺写真。撮影してくれた大野裕之さんの著作が「京都のおねだん」てのは確かに出来すぎ。
TVシリーズ「怪奇大作戦」より
「恐怖の電話」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
レコード会社の無響室はじめ徹底したロケセットのリアリズムとクールなアングルのショット群で恐怖の犯罪を描く実相寺一の意欲作。
「死神の子守唄」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
胎内被爆で白血病になった妹を救うため悪魔の生体実験に走る兄。夜の林で機動隊が犯人を冷酷に追い詰める終盤は伝説的な名場面。
「呪いの壷」監督:実相寺昭雄 脚本:石堂淑朗
実相寺美学と京都スタッフの出会いにより、稀代の美しく異様な怨念劇が誕生。青年の呪いで古寺が燃え盛るミニチュア特撮は奇跡の精度。
「京都買います」
実相寺全作品のなかでも突出したテレビ映画の至宝。丹念な京都ロケ、精緻な技巧、文明批評が融合した美しく哀しいメルヘン。
劇場スクリーンで見る事が出来て感激。
実相寺作品はTVシリーズでも作家性が強く、劇場スクリーンでこそという部分もあるようだ。
自分の持ってるソフトは画像が暗すぎるけれど「恐怖の電話」など良く見えた。桜井浩子を一番綺麗に撮れるのは実相寺監督。
「呪いの壷」のミニチュア特撮も美しく見れた。
「死神の子守唄」で高木京子を演じる深山ユリは、園まりの実姉なんですよね。美しいです。
名作「京都買います」何度見ても唸ってしまう。スクリーンで見ても帰って立て続けに何度も何度も観賞したくなる、まさに至宝。
怪奇大作戦「京都買います」
TVシリーズ「シルバー仮面」より
「ふるさとは地球」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
実相寺による第一話の冒頭の暗さは過激の極みで、ATG映画とアメリカンニューシネマが合体したようなヒーロー物に子供たちは震撼した。
「青春の輝き」監督:大木淳 脚本:上原正三
低視聴率で降板した実相寺の意志を継いで、特撮監督の大木淳が監督、商店街を駆ける大胆なアクシデント的バトルシーンは度肝を抜いた。
「冷血星人の呼び声」監督:大木淳 脚本:石堂淑朗
大木淳特技監督が、実相寺作品の常連となる清水絋治の終焉でシリーズのカラーであった哀しみの物語を情感たっぷりに描いた秀作。
「見知らぬ町に追われて」監督:佐藤静夫 脚本:市川森一
大島渚組、実相寺組の助監督だった佐藤静夫の初監督作。実相寺が「シリーズ最高の傑作」と認めた傑作。対決シーンの卒塔婆は伝説化。
「燃える地平線」監督:佐藤静夫 脚本:上原正三
等身大篇の最終話。路線変更で設定は綻びつつも、佐藤静夫監督は大島渚「絞死刑」を彷彿とさせるセットなどで意地を見せる。
今回のお目当ては番組テコ入れの代名詞といえる「シルバー仮面」等身大篇の5話。
放映当時から一度も見た事が無いと思うので。
しかし、上映時間的に不安があったけれど案の定だ、ウトウト・・・、ここで眠っちゃ意味ないんだけどなぁ。
トークショーで裏話を聞かせていただいた第1話の冒頭、火事のシーンが確かに素晴らしかった。基本真っ暗ですが・・・
低予算のユルさが味わいあっていいよね。
等身大怪人と商店街で追っかけっこ。スーパー戦隊ばりのロケ地挌闘。山から怪人を突き落としてゴロゴロ落下の発火。
夏淳子さんの濃くも美しい顔が印象的。時折カッコ良いアクションもあり。
シルバー仮面に変身するのは柴俊夫。でも篠田三郎の方が目立ってたような・・・。半睡なのでシルバー仮面を取巻く一家の設定がよう判らん。
劇映画「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」1979年 円谷プロ
テレビ映画「ウルトラマン」から実相寺演出の六話中の五話を劇場公開用に再編集した作品。ツナギの新撮カットもお楽しみ。
もう何度も何度も見てるやつを劇場用に編集。怪奇大作戦同様、劇場で見れる幸福。でもやっぱり眠いので眠っちまおう。
1979年、このあたりから実相寺監督の芸術性が取りざた始めたのかな。
ガマクジラの回があればコンプリだったのにね。
トークショーで第3夜熱望の話が出てました。
個人的には特撮だけでなく没後10年実相寺昭雄R18特集をやって欲しい。
「アリエッタ」を劇場で観たい。加賀恵子氏登壇なんて最高じゃない?
実相寺昭雄 才気の伽藍 鬼才映画監督の生涯と作品 (叢書・20世紀の芸術と文学)著者 : 樋口尚文アルファベータブックス発売日 : 2016-12-26ブクログでレビューを見る»
ウルトラセブン青森ねぶた祭に出陣プロジェクト!
池袋 新文芸坐
「実相寺昭雄 特撮オールナイト 第2夜」
昨年末の第1夜は既観賞作品が多かったのでパスしたが、今回はTVシリーズ「シルバー仮面」を見る事が出来るってんで参戦。もっともトークショーのひし美ゆり子さんが参戦動機に大きく関わっているのは間違いない。オールナイトはキツいんですけど・・・
トークショー
樋口尚文さん(映画評論家・監督)×ひし美ゆり子さん(女優)×三輪ひとみさん(女優)+中堀正夫さん(撮影監督)
当初、撮影禁止でしたが、ひし美さん、三輪さんのご好意で撮影許可となりました。
まもなく古希を迎えるひし美ゆり子さんは、ルックス的にはとてもお若く、可愛らしい。
ノリがギャル的というかオバハン的というか、ちょっと痛いキャラ。
「私は知性とは無縁です」というキャラを武器として可愛いんだけど、ウルトラ警備隊員であるアンヌのキャラとしては知性のあるフリもして欲しい・・・。
親子ほど違う三輪ひとみさんの知性に「お若いのにしっかりしてる」ですって。
ひし美さん中心にウルトラセブン第12話解禁復活の話で盛り上がる。ここ新文芸坐のスクリーンで実現すれば、ホント快挙だけれどいろいろ難しい面もありそうです。
途中から実相寺組の撮影監督、中堀さんが加わり実相寺監督のぬいぐるみ好き話。溺愛長男(ぬいぐるみですよ)のエピがかなり変態的でもっと聞きたかった。
樋口尚文さんの著書「実相寺昭雄 才気の伽藍」現場購入者へのお土産で「呪いの壷」のお寺写真。撮影してくれた大野裕之さんの著作が「京都のおねだん」てのは確かに出来すぎ。
TVシリーズ「怪奇大作戦」より
「恐怖の電話」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
レコード会社の無響室はじめ徹底したロケセットのリアリズムとクールなアングルのショット群で恐怖の犯罪を描く実相寺一の意欲作。
「死神の子守唄」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
胎内被爆で白血病になった妹を救うため悪魔の生体実験に走る兄。夜の林で機動隊が犯人を冷酷に追い詰める終盤は伝説的な名場面。
「呪いの壷」監督:実相寺昭雄 脚本:石堂淑朗
実相寺美学と京都スタッフの出会いにより、稀代の美しく異様な怨念劇が誕生。青年の呪いで古寺が燃え盛るミニチュア特撮は奇跡の精度。
「京都買います」
実相寺全作品のなかでも突出したテレビ映画の至宝。丹念な京都ロケ、精緻な技巧、文明批評が融合した美しく哀しいメルヘン。
劇場スクリーンで見る事が出来て感激。
実相寺作品はTVシリーズでも作家性が強く、劇場スクリーンでこそという部分もあるようだ。
自分の持ってるソフトは画像が暗すぎるけれど「恐怖の電話」など良く見えた。桜井浩子を一番綺麗に撮れるのは実相寺監督。
「呪いの壷」のミニチュア特撮も美しく見れた。
「死神の子守唄」で高木京子を演じる深山ユリは、園まりの実姉なんですよね。美しいです。
名作「京都買います」何度見ても唸ってしまう。スクリーンで見ても帰って立て続けに何度も何度も観賞したくなる、まさに至宝。
怪奇大作戦「京都買います」
TVシリーズ「シルバー仮面」より
「ふるさとは地球」監督:実相寺昭雄 脚本:佐々木守
実相寺による第一話の冒頭の暗さは過激の極みで、ATG映画とアメリカンニューシネマが合体したようなヒーロー物に子供たちは震撼した。
「青春の輝き」監督:大木淳 脚本:上原正三
低視聴率で降板した実相寺の意志を継いで、特撮監督の大木淳が監督、商店街を駆ける大胆なアクシデント的バトルシーンは度肝を抜いた。
「冷血星人の呼び声」監督:大木淳 脚本:石堂淑朗
大木淳特技監督が、実相寺作品の常連となる清水絋治の終焉でシリーズのカラーであった哀しみの物語を情感たっぷりに描いた秀作。
「見知らぬ町に追われて」監督:佐藤静夫 脚本:市川森一
大島渚組、実相寺組の助監督だった佐藤静夫の初監督作。実相寺が「シリーズ最高の傑作」と認めた傑作。対決シーンの卒塔婆は伝説化。
「燃える地平線」監督:佐藤静夫 脚本:上原正三
等身大篇の最終話。路線変更で設定は綻びつつも、佐藤静夫監督は大島渚「絞死刑」を彷彿とさせるセットなどで意地を見せる。
今回のお目当ては番組テコ入れの代名詞といえる「シルバー仮面」等身大篇の5話。
放映当時から一度も見た事が無いと思うので。
しかし、上映時間的に不安があったけれど案の定だ、ウトウト・・・、ここで眠っちゃ意味ないんだけどなぁ。
トークショーで裏話を聞かせていただいた第1話の冒頭、火事のシーンが確かに素晴らしかった。基本真っ暗ですが・・・
低予算のユルさが味わいあっていいよね。
等身大怪人と商店街で追っかけっこ。スーパー戦隊ばりのロケ地挌闘。山から怪人を突き落としてゴロゴロ落下の発火。
夏淳子さんの濃くも美しい顔が印象的。時折カッコ良いアクションもあり。
シルバー仮面に変身するのは柴俊夫。でも篠田三郎の方が目立ってたような・・・。半睡なのでシルバー仮面を取巻く一家の設定がよう判らん。
劇映画「実相寺昭雄監督作品ウルトラマン」1979年 円谷プロ
テレビ映画「ウルトラマン」から実相寺演出の六話中の五話を劇場公開用に再編集した作品。ツナギの新撮カットもお楽しみ。
もう何度も何度も見てるやつを劇場用に編集。怪奇大作戦同様、劇場で見れる幸福。でもやっぱり眠いので眠っちまおう。
1979年、このあたりから実相寺監督の芸術性が取りざた始めたのかな。
ガマクジラの回があればコンプリだったのにね。
トークショーで第3夜熱望の話が出てました。
個人的には特撮だけでなく没後10年実相寺昭雄R18特集をやって欲しい。
「アリエッタ」を劇場で観たい。加賀恵子氏登壇なんて最高じゃない?
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池袋 新文芸坐