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横溝正史 「本陣殺人事件」

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本陣殺人事件 (角川文庫―金田一耕助ファイル)横溝 正史角川書店発売日:1973-04ブクログでレビューを見る»

読んだ本の記事も溜まってしまった。
今日数えたら8冊だ。

映画「三本指の男」を観たあとに読んだ。BOOKOFF 100円。
なにしろ、横溝正史の作品は「犬神家の一族」くらいしか読んだ事がない。

「本陣殺人事件」
思った通り、日本推理小説史上の傑作と言われるトリックの謎解きが、めちゃくちゃ面倒臭い。
伏線となる手掛かりも都合が良すぎる。
バカミスならともかく、これを、なまじ本格でやられると辛い。
映画で観ていなかったら、まったく理解できなかったかもしれない。
そもそも犯行にそんな用意周到な、推理探偵への挑戦的なトリックを考え出して実行に移す犯人の神経が理解しがたい。
衝動的で犯行を隠そうとする意図もない、あったとしても極めて杜撰なものの方が性に合ってるわけで。

トリックの謎解きが終わった後の部分の方が本作は魅力がある。どろどろとした因習やら、その古臭い時代に救われる思い。

と言いながらも、これが山田風太郎のトリック殺人だったら、寛容に受け入れちゃうんだろうからゲンキンなものだ。

「車井戸はなぜ軌る」
これも時代が助けられている感じ。トリックも本陣ほどでなく、本格の嘘くささの前で許容範囲。

「黒猫亭事件」
一人二役の騙しのトリック。
作品としては3編のなかで、これが一番好ましかった。

どの作品も戦後昭和の時代の雰囲気が良く現れてるところが魅力的で、映像化への欲求が湧くんじゃなかろか。

喰わず嫌いも少しは解消したようだが、時、既に遅し。今更横溝正史を読み漁ろうとは思わぬ。

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