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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「脱獄広島殺人囚」

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「抗争と流血 東映実録路線の時代」

「脱獄広島殺人囚」1974年 東映 監督:中島貞夫

殺人で懲役20年だった植田は脱獄を繰り返して量刑がどんどん加算され・・・。脱獄→知恵蔵の映画で興奮→銃を振り回して御用。また脱獄・・・。と、考えられないバカを性懲りもなく繰り返す植田だが、シャバへの執念で脱獄の鬼と化した姿はエネルギッシュかつコミカル。松方弘樹の生来の明るさが役にハマり大ヒットした日本版「パピヨン」

「板尾の脱獄王」の元はこのへんにあったのか?そもそも脱獄王観てないけど・・・
これ一応、実録シリーズ。つまりモデルが居るんですね。殺人罪で41年7ヶ月の刑に服し、7回に及ぶ脱獄を敢行したツワモノ。原案には美能幸三の名前も。

松方弘樹追悼。。。
渡瀬恒彦も強盗の相棒役で少し出てる。



松方が決して口を割らなかった事で渡瀬はシャバで暮せていて恩義に感じている。

脱獄の用意周到な手口とかはあまり関係なくシャバへ出る渇望と執念に突き動かされる松方弘樹のアホらしいまでのキャラが魅力。
せっかく脱獄しても、女郎屋で一悶着起こして逆戻り。この時ストップモーションとなり本人の自虐的モノローグが入るの良いです。
もう最後の方になると、ちょっとだけ垣間見えた華やかなプリント地衣装のシャバ女性で、衝動的に、いとも容易く逃げ出したりする。



館長(金子信夫)にカンカン踊りまでさせる梅宮辰夫も良い。
伊吹吾朗はやくざ映画の脇役ながら、いつでも超カッコ良い役なのでずるいと思う。

妹役で大谷直子。
非合法で屠畜する三国人(室田日出夫ら)との関係。
迷惑がりながらも肉親愛で匿い、公務執行妨害までやらかす妹が良い。
兄、松方が連行され、残った食べかけの膳を見つめるショットがせつない。

シリーズは3本作られ、今回の特集では全て上映があるけれど、ちょっとこれ1本のみで終わりそう。ざんねーん!



シネマヴェーラ渋谷

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