「暗黒街の顔役 十一人のギャング」

「甦る映画魂　The Legend Of 石井輝男」

「暗黒街の顔役　十一人のギャング」1963年　東映　監督：石井輝男

15億円強奪を計画する鶴田浩二と杉浦直樹が実行に必要な仲間を集め、という和製『オーシャンズ11』。仲間たちそれぞれのキャラが際立つが、中でも酒と女に弱いトッポい運ちゃん役の高倉健が出色。手に汗握る展開とスタイリッシュなせりふ回しで魅せるサスペンスの傑作。

十一人のメンバーって誰等を指すんだろう。15億円強奪のため調達したメンバーと嗅ぎつけ横取りを狙う対抗ギャング入り乱れ･･･。ま、いいか。
トラック運転手の高倉健。若き高倉健はこういう軽い役で光る時が多々あるな。後年寡黙でカッコ良い大俳優になったという事実あってこその事だけどね。最後に見せる侠気が泣かせる。

今回、珍しく三原葉子が良かった。というか、使い方が上手い。相変わらずブー顔だが、ファムファタールとか悪女とかじゃなくて、ただ安部徹側に筒抜けになるその存在だけで話をややこしくしている。
クールでカッコ良い杉浦直樹と惚れあう事になり、高倉健との3人の関係が良い。

鶴田浩二が可愛がっている妹に本間千代子。おばけ煙突の見える実家近くで当時既に精巧なミニカーを渡して、それが小道具として一応象徴的に使われるんだけど（成功しているかは微妙）可愛い顔してミニカーを「大人のおもちゃ」って言っちゃうと妙な感じになっちゃうぞ、本間千代子。

「ギャング対ギャング」に続き高英男。でも今回は2本目で慣れたせいか、さほどの活躍じゃないせいか額割れ予感問題は起こらない。

最後はまたしてもドンパチ銃撃戦。今回も下手な鉄砲数撃ちゃ当たる式に全員死亡。







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