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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「私が殺したリー・モーガン」

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「私が殺したリー・モーガン」2016年 米 監督:カスパー・コリン
I CALLED HIM MORGAN

1972年2月の雪に覆われたマンハッタン、イーストヴィレッジのジャズクラブ「スラッグス」で、トランぺッターのリー・モーガンが拳銃で撃たれる。発砲したのは一回り年上の内縁の妻ヘレン・モーガンだった。当時リーには、新しい恋人のジュディス・ジョンソンという女性がいて……。

上映後の類家新平(tp)栗林すみれ(p)デュオ・ミニライブ付きにて観賞。



殺した奥さんはまた彼を薬物から救った女でもあった。彼が贈った護身用拳銃からの凶弾が哀しい。

近年のミュージシャンドキュメントの中でもピカ一の傑作。
雪のニューヨーク、始まり方がメチャカッコ良く、悲劇の一夜は妻や友人の語りだけなのに。下手な再現ドラマより臨場感の演出・編集に感服。

インタビューでカセットテープに告白していくヘレンのゆったりとした口調がなんとも言えない。彼女はその1ヶ月後に亡くなってしまう。
あまりのも哀しく愚かな行為であったが釈放された彼女に会った、リー・モーガンの友人たちの赦しがまた感動的。




事件自体がスキャンダラスだし、ドラマとして映画化されてもおかしくない。今後、そのような企画があるかもしれない。しかし、それより前にこのドキュメントが生まれた事は意味が深いし、ドラマ映画の製作スタッフは心してかからなくちゃいかんだろう。そんな企画も望みたくなる。

音楽が良いのは当然です。特にハードバップ、ジャズ・メッセンジャーズ。
ピー・ウィー・マーケットの調子もちょこっと聴けるし。
スチールのスライドショーのみで見せる臨場感も編集の妙か。



ミニライブの方も良かったよ。
リー・モーガン縁の4曲。



All the way

The Double Up

I Remenber Crifford

Search for the New Land


類家新平はたまにネットで拝聴した事があるだけだったけど、流石に時代のトランペッター。
サブトーンを多用し、時々ハイトーンになる瞬間とかカッコ良くて、リー・モーガンとは違った魅力。
こんなにもカエル族でしたか。
生類家の片頬は思わず針で突いてみたくなる。

アップライトピアノの栗林すみれは、ほとんど後ろ姿だけしか見えないけど、類家新平と相互紹介する際の皓歯が印象的な笑顔がメチャ明るくて、それだけでも元気がもらえる。ちょっと贔屓にしたくなった。



UPLINK渋谷


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