「ヤスジのポルノラマ　やっちまえ!!」

「発掘された映画たち2018」

「ヤスジのポルノラマ　やっちまえ!!」1971年　東京テレビ動画　監督：三輪孝輝、高桑慎一郎
英語題　DO IT!

「ヤスジのメッタメタガキ道講座」など強烈なキャラクターと決めゼリフで一世を風靡した谷岡ヤスジによる一連の漫画をアニメーション化したカルト的作品。2015年にソニー・デジタルエンタテインメント・サービスから寄贈された原版から作製したニュープリントを上映。




私は「スターウオーズ」という映画に全く興味を抱けない体質なんだが、もしも「ヤスジのスター・ウォーズ・ハー」なんて映画が上映されたら速攻で見に行くに違いないのだ。残念ながらそんな映画はありませんけどもね。

大好きな谷岡ヤスジのマンガがアニメで動くってんだから、それだけでワクワク。
内容は本当にやっちまえ!!って感じで谷岡ヤスジの魅力の一側面であるセックスに集中している。下ネタのぶっ飛びが半端でない。
3部構成になっているが観ていてメリハリが今一で、なるほどこれは興行的に失敗作も当然かなと。そもそも各話が長すぎるようだ。
もっとショートショートで12部構成くらいにした方が合ってるんじゃないか？所謂ゲバゲバ形式。

各部は「私生活」「経験」「めまい」辺見マリの曲が充てられている。
辺見マリの曲に合わせたテーマ動画のサイケデリックエロは下品でとても良い。麻雀牌の交尾なんてのも面白い。



さて、いい加減退屈になってきた所で新婚のユキ子がハジ鳥の子供ムジ夫を産んでしまう。このムジ夫登場からの展開が凄まじい。
やっぱヤスジのガキは凄い。
特に「めまい」のエンディング。動物園のメスゴリラのお○○こから体内に入っていく「海ゆかば」から当時の三島由紀夫の最期を連想させるハラキリは凄い。日本ハラキリ映画の金字塔ではないか！この終幕でカルト傑作の称号決定。
あくまで谷岡ヤスジ世界の魅力の一側面でしかないが･･･

声優が豪華で増山江威子、小原乃梨子、雨森雅司。共演もまた豪華で朝丘ルリ子・石坂浩二に高倉健。


アニメでヤスジキャラが動く事に期待を膨らませたが、観てみると天才谷岡ヤスジのマンガは動画以上に躍動的で、やはりマンガで見る方が面白いって事に気付く。それはやはり凄い事だ。そして天才画伯の絵の上手さが大好きなんです。

何はともあれ本作が発掘されニュープリント上映された事が嬉しいではないか。カンパーイ。





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