「スリー・ビルボード」

「スリー・ビルボード」2017年　米・英　監督：マーティン・マクドナー
THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI

ミズーリ州の田舎町。7か月ほど前に娘を殺されたミルドレッド（フランシス・マクドーマンド）は、犯人を逮捕できない警察に苛立ち、警察を批判する3枚の広告看板を設置する。彼女は、警察署長（ウディ・ハレルソン）を尊敬する彼の部下や町の人々に脅されても、決して屈しなかった。やがて事態は思わぬ方へ動き始め……。




フランシス・マクドーマンド目当てで見たらとてつもない作品だった。
社会派？ヒューマンドラマ？根底はコメディ！

ミズーリ州エビング（架空）3本の野立て看板の裏表。

怒りは怒りを呼び、愛と赦しが問題解決の糸口？
元夫の若い愛人アーパー娘（職業・動物関係）が天然に重要な言葉。
署長の自殺動機が綺麗事すぎるのでそこを疑ってかかると、恐ろしくも面白い人間・社会の姿が浮かび上がる。
全てが正義であり、全てが悪なのか？
これは劇場でもう一度観る事は無いかもしれないがレンタルで連続観賞していろいろ確かめたくなる。

とにかく作品に流れるルックというかテイストがとても好ましいですね。
使われる音楽もセンス良い。

徹底的に強いお母さんのマカロニウエスタン風テーマ。
あの警察と通りを挟んだ広告屋との位置関係なんか、まったくもって西部劇。
酒場シーンでかかるThe Night They Drove Old Dixie Down　女性ヴォーカルは調べてみよう。なぁんだ、ジョーン・バエズだったのか。



ABBA好きなレイシスト警官ディクソン



バイオレンスとユーモア。
そしてちょいちょい入れてくる現代社会への皮肉。


オレンジジュースの憎い奴。



勿論、マクドーマンドさんは最高でした。名前をなかなか正確に覚えられないけれど、「ファーゴ」も「バーン・アフター・リーディング」も良かったからね。そうか本作入れてマクドーマンドさん三大看板完成って事で。


鹿との出会いとか、泣かせも入れてくるけど、それが全て滲み出るような感覚なのが良い。



終始、ブルーの繋ぎ、ヘアバンドから見える刈り上げ。
キン蹴り、マン蹴りあり。
飄々と演じる麻酔ギャグも良かったね。




Three Billboards Outside Ebbing, Missouri Trailer Song/Music/Soundtrack - All Songs





シネ・リーブル池袋