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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ハッピー・エンド」

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「ハッピー・エンド」2017年 仏・独・墺 監督:ミヒャエル・ハネケ

ロラン家は建設会社を経営し、瀟洒な邸宅に3世代で暮らしている。両親の離婚のため離れて暮らしていた孫娘エヴは、ある事件をきっかけに、父親トマと一緒に暮らすため祖父ジョルジュたちの住むフランス北部のカレーに呼び寄せらせる。85歳のジョルジュと13歳のエヴには、誰にも言えない”秘密”をそれぞれに抱えていた‥‥



ミヒャエル・ハネケが「ハッピー・エンド」ってのは冗談に程があるというか、そこに何が潜まれているのかとても気になるでしょう。こういう作戦はズルいです。イザベル・ユペールも出演されてる事だし観ておきました。

舞台は難民キャンプのカレー地方。

無音のi-phone画面で始まるオープニング。こんな時代だから当然試される手法と思われますが、ハネケが撮るとそれだけで病的な文化が浮き上がるようです。
説明的な事を省略して、とても不親切に展開されていく。事前情報をほとんど入れてないので最初はそれぞれの人の関係性を探るのに手間がかかってしまう。それでもだんだん解っては来る。最初から把握した上で観るとまた違った愉しみがあるだろうから本当は2度3度と観ておきたい作品。徐々に解明していく作業も愉しみの一つではあるけど。
遠くの方で何か決定的な事象が起きているけど音声も届かず、遠くから第三者的に傍観する感じで捉える。

家族のディスコミュニケーション度合いに薄ら寒さを憶える頃、爺さん(ジャン=ルイ・トルティニャン)と少女(ファンティーヌ・アルドゥアン)の告白シーンが大きな山場。



どうやら「愛・アムール」と言う作品と関係性が高いもののようです。(まったく別の物語のようだけど)
「愛・アムール」はちょっと嫌な予感があり敬遠したままにしていましたが、本作を観たからいずれ観なくちゃと思ってしまう。本当にズルいハネケだ。

イザベル・ユペールの母親は、またキャリアのある富裕の中に闇を持つ役柄で、パーティーに遅れてママ(イザベル・ユペール)のスピーチを聴けなかったというのは本当に残念な事と思われます。
ちょっとダメな息子との「婆ァノックしろよ」感が絶妙でした。



もう一つ本作の収穫としてファンティーヌ・アルドゥアンの存在。少女エヴ。
特に車内で泣きだすところ。今後、賞味期間中の活躍にも期待。






イザベル・ユペールの再婚披露パーティーからのラストはまさに
ジャン=ルイ・トルティニャンの「ハッピーエンドで終わらせておくれよ」
あーあぁ、こんなパーティー早く終わらせて海岸とか下り坂とか空気吸おうぜ・・・

もう一度i-phone画面に戻って、ある意味ハッピーエンドを迎えるラストがまた良い。無音のエンドロール・・・・



本作がレンタル開始になった暁には「愛・アムール」と2本借りましょう。




シネ・リーブル池袋

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