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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「マルクス捕物帖」 DVD

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「マルクス捕物帖」1946年 米 監督:アーチー・L・メイヨ
”A NIGHT IN CASABLANCA”

戦争は終わっても、カサブランカにはナチの残党が暗躍しているという噂があった。豪華なホテル・カサブランカでは、支配人が三人続けて奇怪な死をとげた。そこで誰もなり手のない支配人に就任したのが他ならぬロナルド・コーンブロウ(グルーチョ)だった。ホテルの雑役夫ラスティ(ハーポ)と遊覧会社で客をカモっていたコーバッチオ(チコ)と共にドタバタの末、事件の背後にあるナチ残党の陰謀を偶然に阻止する。

3枚組で980円は嬉しいよ。
本作のマルクス兄弟は、その狂気の度合いはかなりマイルドで、この作品で初めてマルクス兄弟を知ったなら、単なる古いコメディ集団という認識を持ってしまうかもしれないし、散々マルクス兄弟を観てきた人には物足りなく感じてしまうのではないか。

冒頭のハーポが建物を支えている有名なギャグ。これが見たかったのだけれど・・・。
文面でそのギャグを知り、勝手に想像していた身としてはちょっと拍子抜け。
それでも、確かに本作で1番秀逸なギャグには違いないのだ。
終戦後のカサブランカの街とするなら、もっと壮大な建物を過大に想像していたこちら側に非がある。

他に、レストランのダンスホールにチコとハーポが次々と客席テーブルを並べて行き、空席待ちの客を座らせるものだから狭い中グルーチョがダンスを踊る羽目になるギャグも「オペラ・・・」の船室ギャグを連想するが、いかんせんパンチ力が弱い。
3人が荷造りをするプフェファマン伯爵の死角に入り荷造り妨害をするシークエンスもお約束。これは急いでいるのに準備が一向にはかどらないという、私も良く見る悪夢を思わせ、とても面白い、ただ、やはり「オペラ・・・」程の決定打には至らない。
後半の飛行機でのドタバタにしても「二挺拳銃』のような驚きには届かない・・・。あ、でも、ここでのハーポはやっぱり凄いです。
気絶した操縦士を皆が必至に覚醒させ操縦席に座らせて、やれやれ難を逃れたかと思った瞬間にくらわす一発!

お馴染みチコのピアノ、ハーポのハープ演奏も披露されるが大人しめ。

速射砲の如く言葉で責めるグルーチョに光る部分がある。
フロントで宿泊しに来たモロッコクリーニング社社長夫妻とのやりとり。
「結婚証明書を見せろ」とかグルーチョの散々無礼な発言に呆れて、弁護士を連れてくると吐き捨て去ろうとする社長に、また「結婚証明書を持たせてくれ」

これは秀逸なコントとして笑った。

それでもお決まりのギャグが満遍なく無難に散りばめてあり、安心して鑑賞ができる・・・とも言えましょうか。
マルクス兄弟を初めて見る方には、本作は薦められない。
全盛のマルクス兄弟はこんなもんじゃないですから。



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