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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「筒井康隆展」 世田谷文学館

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TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」にゲスト出演された筒井康隆先生。
今、世田谷文学館で「筒井康隆展」開催中と聞き、その日の予定を変更して行ってきた。
世田谷文学館はお気に入りなのでたまにチェックしているのだが、これは全く知らなかった。危うく終わってしまうところだった。

展示内容盛り沢山で見ごたえありすぎ。
出生から現在までの年表パネルを見てるだけでもかなり時間を要する。
年表はどうということないと思うが、何しろ10代の頃から読みまくった先生であるから、こちらの半生とオーバラップして来ようというもの。初対面は「俺に関する噂」の文庫化の頃で、それ以降一気に嵌って旧作をどんどん遡っていったのだね。
だから年表に出てくる作品で断筆前のものは全て読んでいるわけで、これはかなり感慨深い。

展示のメインは「大いなる助走」のカバーでお馴染み青インクの直筆原稿。書き損じがほとんどないく読みやすい文字。その直筆原稿が立派な装丁を施されているのだ。視力の減退を理由にすっかり活字離れしてしまった昨今ではあるが、これなら大丈夫。直筆原稿複製版は「筒井康隆全集」コンプリ特典で「最悪の接触」もらっているが、他にも代表作は何本か複製で発刊していただきたいものだ。ツツイストは買うですよ。
展示されているものの中では、やはり「バブリング創成期」が魅力的。他には「弁天さま」の佳境部「××××」な原稿。「虚構船団」は完全複製したら大変な事になりそう。

筒井康隆全集完結後の作品、特に断筆解除後の作品は、まだまだ読んでないものが多いね。

壁一面に展示されている書籍の一群を眺めているだけで懐かしいやら、溜息が出るほど見惚れてしまう。

まぁ、筒井先生に出会っていなくてもいづれ出会ったであろう山下洋輔、大林宣彦、今敏、ガルシア・マルケスなどなどにしたって、ぜ~んぶきっかけは筒井先生なのであるわけですからなぁ。
自分から筒井康隆要素と立川談志要素を抜いたらさぞやさぞや、今以上に腑抜け者でありましょうや。否、もう少しまともな人生だったかな?ま、いいや。

「菊地成孔の粋な夜電波」が終わってしまうのは残念。
筒井先生ゲスト出演回では夜電波本を読んで刺激感銘を受けて創作したという「ダークナイト・ミッドナイト」による筒井先生自らのオープニング・トーク。ご本人自虐的にダメ出ししていたから無理があるんだけど後番組は「筒井康隆のダークナイト・ミッドナイト」だったらいいのにな。なんて・・・少なくとも選曲にかけては筒井DJなら信頼して良さそうなんだが。
というわけで粋な夜電波本、買ったり読んだりする予定は無かったんだけど、ラジオを聴かずこれを読んだ筒井先生が絶賛しているのなら、これも買うっきゃないかなと思ってる。

菊地成孔の粋な夜電波 シーズン1-5 大震災と歌舞伎町篇

菊地成孔の粋な夜電波 シーズン6-8 前口上とコントの爛熟期篇


これだけの功績を上げた方、過去作の朗読と再販(直筆複製かどうかは兎も角)だけでも充分儲かるじゃない。それでも筒井康隆84歳、バリバリの現役作家としてまだまだ書けるってのは凄いね。

筒井康隆展 世田谷文学館 12月9日まで。

図版買いました。これからゆっくり読む。あと買わなかったけれど、グッズではマルチペーパー(2種)が優れものです。




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