「ヘレディタリー 継承」 HEREDITARY 2018年 米 監督:アリ・アスター
ある日、グラハム家の家長エレンがこの世を去る。娘のアニーは、母に複雑な感情を抱きつつも、残された家族と一緒に葬儀を行う。エレンが亡くなった悲しみを乗り越えようとするグラハム家では、不思議な光が部屋を走ったり、暗闇に誰かの気配がしたりするなど不可解な現象が起こる。
ホラーというよりカルトとして楽しめる。音響やカメラワークで不穏感をさんざん煽っておいて(さほど怖くはない)最後は見事な祝祭。ホラー史に残る傑作と聞いてきたけどそこまでか?歴史的ホラー名作(シャイニングとかローズ・マリーの赤ちゃんとか)と比べてしまう。比べるとやや弱いのが残念。
ホラーのセオリーをしっかり継承していたりオマージュも多そう。
向き合う事を避け続け状況悪化する家族の不穏さは好み。
キャスティングは母(トニ・コレット)も娘(ミリー・シャピロ)もホラーとして最恐。
翻弄される先の読めない展開。
ミニチュアドールハウスの使い方が中盤までワクワクだったがママが破壊してしまい後半で効きが弱くなり残念。ところが映画の盛り上りドライブ感はミニチュア破壊以降という皮肉。
やっと笑える時が来た!高速トニー・コレット! この方、リトル・ミス・サンシャインのお母さん?
終盤までのホラーよりも明らかに終盤ラストのカルト祝祭に至るまでが好きで鑑賞後は晴れやか(本当は怖い話だが)な気持ちになれた。それまでの厭な気持ちを浄化するかのような「青春の光と影」がいい。あらためて訳詞を調べて尚良し。
来年は我が国も継承の年ですね(* ̄ー ̄)
TOHOシネマズ日本橋