「東映異常性愛路線のミューズ 橘ますみ伝説」
「残酷・異常・虐待物語 元禄女系図」1969年 東映 監督:石井輝男
石井監督性愛路線第4弾、オムニバス作品。第一話「おいとの巻」江戸町娘がやくざな男に騙され弄ばれて身を持ち崩していく。第二話「おせちの巻」夜毎見世物小屋の小人たちらを引きずりこんで異常なセックスに浸る豪商の娘と、その娘を慕う手代との狂愛物語。第三話「おみつの巻」加虐性変態性欲者の藩主と被虐性を帯びる腰元たちが、城中で淫乱異常の世界を繰り広げる。
「徳川女刑罰史」と同じ構成の石井輝男オムニバスなんだから見ておかなくちゃいけない。
観賞前にその概要を確認すると、もうこれは傑作間違い無しではないかというシチュエーションで期待は高まるばかり。
特に第2話に大いに期待を抱かせます。
オープニングの土方巽と異形者による舞踏が、また強烈で期待はさらに高まるのですが・・・。
狂言回しの吉田輝推が医者の役で冷静なようで、何か変なの。いつもの事ですね。
第一話は今回特集であるヒロイン可憐なる橘ますみ嬢が、これまた徳川女刑罰史同様に折檻に会うという、ただその1点のみに価値があり、ストーリー的には後の2作に比べ平凡。
他には、上田吉二郎の変態御大尽とカルーセル麻紀の花魁啖呵が楽しめます。
問題の第二話。
醜男に犯されたために見世物小屋の小人や汚らしい浮浪者、黒人などとの異常セックスに明け暮れる大店の娘。葵三津子
いったいどんな素晴らしい映像が待っているのかと思っちゃいましたよ。
期待が大きすぎると拍子抜けしちゃいますよね。小人役者が侏儒として何か中途半端。「痴漢ドワーフ」並みのえげつなさが欲しかったな。
でも、この脚本作って映画にしようとした試みだけでも褒められるべきと思いますよ。
ちょっと、がっかりしつつも第三話。
「徳川女刑罰史」同様に小池朝夫がトリを務めます。加虐性変態性欲者の殿様役で登場。いつものように実に良い乗りで演じてくれます。
負けじと賀川雪江がハイテンションな高笑い。
こちらの話も獣姦に金粉責め、近親相姦、麻酔なしでの帝王切開と事前に入手した情報は涎ものなのですが、今ひとつなんですね。それを補って余りある小池朝夫の殿様なんですが。
やっぱり最後は城が火事になって焼け落ちます。
完全に基地外となった、小池朝夫に命じられるまま、帝王切開を行う吉田輝雄。表情は至ってクールですが、医術を極めるという大義名分の元、嬉しくてしょうがなかったに違いありません。
ストーリーは残酷、異常この上ないオムニバス作品ですが、各話に悲恋という味付けを持ってきちゃたために、ややぬるい感じが拭えなくなったんじゃなかろかと思うのです。
ラピュタ阿佐ヶ谷
「残酷・異常・虐待物語 元禄女系図」1969年 東映 監督:石井輝男
石井監督性愛路線第4弾、オムニバス作品。第一話「おいとの巻」江戸町娘がやくざな男に騙され弄ばれて身を持ち崩していく。第二話「おせちの巻」夜毎見世物小屋の小人たちらを引きずりこんで異常なセックスに浸る豪商の娘と、その娘を慕う手代との狂愛物語。第三話「おみつの巻」加虐性変態性欲者の藩主と被虐性を帯びる腰元たちが、城中で淫乱異常の世界を繰り広げる。
「徳川女刑罰史」と同じ構成の石井輝男オムニバスなんだから見ておかなくちゃいけない。
観賞前にその概要を確認すると、もうこれは傑作間違い無しではないかというシチュエーションで期待は高まるばかり。
特に第2話に大いに期待を抱かせます。
オープニングの土方巽と異形者による舞踏が、また強烈で期待はさらに高まるのですが・・・。
狂言回しの吉田輝推が医者の役で冷静なようで、何か変なの。いつもの事ですね。
第一話は今回特集であるヒロイン可憐なる橘ますみ嬢が、これまた徳川女刑罰史同様に折檻に会うという、ただその1点のみに価値があり、ストーリー的には後の2作に比べ平凡。
他には、上田吉二郎の変態御大尽とカルーセル麻紀の花魁啖呵が楽しめます。
問題の第二話。
醜男に犯されたために見世物小屋の小人や汚らしい浮浪者、黒人などとの異常セックスに明け暮れる大店の娘。葵三津子
いったいどんな素晴らしい映像が待っているのかと思っちゃいましたよ。
期待が大きすぎると拍子抜けしちゃいますよね。小人役者が侏儒として何か中途半端。「痴漢ドワーフ」並みのえげつなさが欲しかったな。
でも、この脚本作って映画にしようとした試みだけでも褒められるべきと思いますよ。
ちょっと、がっかりしつつも第三話。
「徳川女刑罰史」同様に小池朝夫がトリを務めます。加虐性変態性欲者の殿様役で登場。いつものように実に良い乗りで演じてくれます。
負けじと賀川雪江がハイテンションな高笑い。
こちらの話も獣姦に金粉責め、近親相姦、麻酔なしでの帝王切開と事前に入手した情報は涎ものなのですが、今ひとつなんですね。それを補って余りある小池朝夫の殿様なんですが。
やっぱり最後は城が火事になって焼け落ちます。
完全に基地外となった、小池朝夫に命じられるまま、帝王切開を行う吉田輝雄。表情は至ってクールですが、医術を極めるという大義名分の元、嬉しくてしょうがなかったに違いありません。
ストーリーは残酷、異常この上ないオムニバス作品ですが、各話に悲恋という味付けを持ってきちゃたために、ややぬるい感じが拭えなくなったんじゃなかろかと思うのです。
ラピュタ阿佐ヶ谷