Quantcast
Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

「やくざ観音 情女仁義」

$
0
0
「やくざ観音 情女仁義」 日活 監督:神代辰巳

河を流れる死体から生まれた赤ん坊は、清玄という僧に成長した。彼は藤原の子分たちに襲われている美沙子を救うが彼女は清玄を誘惑し事に及んだ。事後、清玄は彼女が異母妹であるのを知る。しかし、彼は美沙子を忘れられず・・・。



神代辰巳のやくざ映画。ポスターインパクト。これは見なくちゃ。

父親殺し、近親相姦。
死に腹から生まれた男。取上げた雲水が「お前は生まれてこなければよかったのに」
その子がやがて真面目で有望な僧侶となるが、情を交わした女(斉田一家のお嬢様の美沙子)がいわく付きの出生に関わる異母妹と知ってから豹変。自らの業に抗い人殺しやくざになっていく。東映から移籍の岡崎二朗主役の日活やくざポルノ。
岡崎二朗の背の菩薩刺青、くわえたばこ、外連味たっぷりの所作、台詞。「俺は人を殺したくてうずうずしてるんだ」
それを聞いた斉田一家と敵対する藤原組から清玄の実父である斉田殺しを依頼され引き受ける。
全てを悟った斉田は美沙子に禁断の経緯を告白し清玄の銃弾に倒れる。
再び惹かれ合うように愛を交わす清玄と美沙子は逃避行。殺し代金を藤原に要求するが途中、美沙子が拉致され薬漬けにされてしまう。

新スターのクレジット、安田のぞみの薄眉の案配良い微妙な美人ぶりも良い 。川原での穏やかな寝顔に背徳的な美しさ。
初めて結ばれる滝ロケの遠景ショットがメチャ美しい 。黒揚羽のような着物。「俺は黒い蝶が好きだ」「じゃあ、舞って見せましょう」

遠景の多様、インサートされる無音のイメージショット。
音楽使いは例によっての神代手法。念仏やら見世物口上がゴニョゴニョ流れる。音楽監修はあがた森魚。

終盤クライマックス岡崎二朗マシンガンのカイカン。マシンガンで水面を狙うと、川の石投げのように弾丸が数回水面ジャンプして敵を仕留めるんのとか、高橋明の頭部が弾丸によって転げ落ちるとか、瀕死の所を助ける少女を流血滴らせながらレイプとか、カルト的魅力の枚挙に暇がない 。

清玄を取り上げた雲水が「お前はこの世に生まれて来るべきではなかった」と棍棒で殴りつけ気絶した清玄を出生の地である滝つぼに埋めようとする。
留めを刺す瞬間、ストップモーションでの清玄の反撃。

雨の降る夜の女郎、絵沢萌子さんも可愛く、丘奈保美の日本髪解き荒々しく情交に及ぶのも見どころ。



派手なバイオレンス描写で描く因果応報、業の物語凄まじき。


安田美沙子ならぬ安田のぞみが良い。
他の出演作はと調べてみたら既に2本見ている「愛欲の罠」と「現代娼婦考 制服の下のうずき」全然、記憶にない。こんな時のために自分の過去記事・・・
間違いなく本作が代表作。





上野オークラ劇場




Viewing all articles
Browse latest Browse all 4203

Trending Articles