「団地妻を縛る」

「団地妻を縛る」1980年　新東宝　監督；渡辺護

この物語は団地で生活をする二組の夫婦の爛れ切った情欲を映し出したものである。酒に酔うと妻を裸にして縛り上げて陰湿な快楽に溺れる夫。妻はその異常な責めに悦びを感じつつも隣室の男とも情事を重ねてしまう。そして夫が妻の不貞を知った時、果たして何が起こったのか……



お隣のお色気奥さん、岡尚美のくさやプレイ。匂いの出る映画でやって欲しい。好きな人はあの臭さを脳内想像して楽しみましょう。
赤と青の照明を使っての縄SMプレイの美観。



亭主の大杉漣が岡尚美と不倫していることを知りヒステリックに逆上する日野繭子。

ゴミ捨てしている岡尚美に言い寄ろうとする日野繭子を団地の高階から俯瞰で見下ろす。
詰め寄ると開き直る岡尚美の台詞がカッコ良いのよ。咥え煙草。やはり下品な色気は丘ナオミ（この方の芸名表記はこれが一番しっくりくる）の真骨頂です。
ラブホのゴンドラ上でキャキャしてる。
ここでは日野繭子の引き立て役というイメージはすっかり無い。



対抗して電気屋の兄ちゃんを引っ張り込む日野繭子が痛々しい。痛々しいだけにその後の悟りきった無表情からラストへクールな顛末が良い。

お隣のくさや亭主も妻を寝取られ逆上、日野繭子の部屋に怒鳴り込んでくるが呆けたように魚肉ソーセージをしがいてる日野に劣情して縄目にかける昼下がりの団地。
西日の差す部屋、電源コードを使って緊縛していく、日野の顔に電源コードの影が落ちる。
冷静になり自分の行動を反省し謝りながら身体を拭いてやる隣人亭主。団地はすっかり夜になっている。



全編に流れるスパニッシュなギター劇伴が哀感誘い好き。
今川橋付近のロケ地風景も風情があって良い。





シネロマン池袋