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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「ハウス・ジャック・ビルト」

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「ハウス・ジャック・ビルト」2018年 丁・仏・独・瑞典 監督:ラース・フォン・トリアー
THE HOUSE THAT JACK BUILT

1970年代のワシントン州。建築家志望の独身技師ジャックが車で人けのない雪道を通り掛かると、女性が車が故障したと助けを求めてくる。ジャックは彼女を車に乗せ修理工場まで送るが、彼女は急に態度を変えて無神経で挑発的な発言を繰り返し、ジャックは彼女に怒りを募らせる。


シリアル・キラー、ジャックの殺人エピソードが4つほど。
そして、いかにもラース・フォン・トリアーなエピローグ。



ジャックはまさにサイコのデパートという感じですが、それだけに寄せ集め感が残念。殺人手法に一貫性がなく行き当たりばったり感。だからこそシリアル・キラーなんか。バラエティに富んでいる。
肝心のジャックのお家だって謎の爺さん(ジャックの分身ともとれるが)の指示だった。

失礼でうるさいユマ・サーマンを一撃するところは痛快。


警官を装い住居侵入、おばちゃんを絞殺する所では潔癖症のギャグがしつこく繰り返され。これ、笑う映画なんだと理解。
茂みに隠していた死体をロープで牽引逃走、ズタ袋状態で死体損傷。くっきり残した血痕の証拠は豪雨が洗い流してくれる。


ジャックは家族を持とうとしたことがあるのか。
子連れの彼女とピクニック。長男は懐いている様子だが次男は嫌悪感露わ。長男に楽しくライフル射撃を教授している。
場面変わると既に人間狩りゲームが始まってる。鹿の親子猟のセオリー通り順番に射殺。猟犬無しで血痕追い獲物を見つけ留め。


恋人となった女子とおもちゃの電話でご機嫌なおし、60人殺した殺人者だとカミングアウト。まさか?でも次には61人になってるぅ。
おっぱい切り取りお財布に。


男を拉致して冷凍庫に運ぶとすでに先客数名が拘束繋がれている。
フルメタルジャケットでナチスの実験。弾丸が違ってて怒り銃砲店に押し入る。

どれもこれも胸糞悪くても笑えるので、ラース・フォン・トリアー作にしちゃライトなイメージ。















流石、ラース・フォン・トリアー。胸糞悪い展開の中で見せるユーモア・ギャグ。途中退席は勿体無いですよ。自由ですが。
ジャックのシリアス・キラーぶり然り、ユーモア然り。個人的には「ハウス・ジャック・ビルト」のルーツを探せ!って気分になる 。
落語かよ!

サンプル使用から暗喩、こちらが勝手に連想したもの、ざっと並べても

デビット・ボウイ FAME
グレン・グルード 27歳の記憶
ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム
羊たちの沈黙
モンティ・パイソン 牛乳配達屋のシークエンス
ゴーギャン
ダンテの小舟
桂米朝 地獄八景亡者戯
三遊亭円生 死神・・・

そしてそして、胸糞悪さを一気にスカッと晴らしてくれるレイ・チャールズの Hit The Road Jack !での締めが最高です。
本作ではいかなる動物も傷付けていません。

まだまだあるよね。あの赤いキャップにも意味があるらしいよ。




ヒューマントラストシネマ渋谷

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