「2011年ピンク映画傑作選」
「囚われの淫獣」2011年 OP映画 監督:友松直之
ピンク映画館のスクリーンはホテルの一室で男と絡むサオリの姿が映し出された。閉鎖された劇場のロビーで目を覚ます5人。女性客・ユリコ、従業員・アケミ、男性客・タナカ、スズキ、ヤマダ。記憶は喪失し、なぜここにいるのか誰も理由を知らなかった。やがてユリコとスズキが隣に移動した新館へ映画を見に来たことを思い出す。5人は新館へ戻ろうとするが、ベニヤ板が打ち付けられ出入口は封鎖され、非常口も外から施錠されていた。男たちは強行突破を決断し、ベニヤ板を壊し外へと出るが、何度繰り返してもロビーから出れない。途方に暮れた5人が客席に入ると、操り人形がスクリーンに映し出され、どんな映画が観たいのかと尋ねた…。
衝撃作、問題作と評判の友松直之監督「囚われの淫獣」、漸く鑑賞が適った。
オープニングに登場するのは操り人形の前説?、携帯電話の電源はお切りくださいなど映画鑑賞マナーの呼びかけ。でもピンク映画館でのマナーだから、そこは緩く、はずれちゃってる。フィルムにダメージを加えたような加工と人造的な声(声は友松監督らしいです)という独特の世界観がめちゃくちゃカッコ良くて引きつけられる。
この人形は「老人とラブドール 私が初潮になった時」でも使われたお馴染みの物(個体は別の物かも)で監督自ら、よほどお気に入りの世界観なのかもと思う。そういう面は確かにあるんだろうが、これは身内に人形劇団員がいらっしゃって拝借したとの事。
・・・いろいろと裏話に触れていますが、鑑賞後、問題作としてネット上で監督自らも発言する盛り上がりサイトから得た情報。このネットでのピンクファンの盛り上がり状況が映画同様に面白いので、ついつい夜更かしして覗き込んでしまったんよ。
旧オークラ劇場スクリーンに映し出される成人映画。柚本紗希のイメージビデオ的な作品が流れる。この柚本紗希さんがとりたてて美人とか可愛いとかではない(否、可愛いですね、やっぱり)のにとても良い雰囲気。エッチにしてもとっても気持ちよさそうで、ちゃんとピンク映画のエロ度として十二分に満足できるのだから頼もしいじゃないですか。
ちなみに画像では柚本紗希が磔形に囚われていますが、このようなシーンは無く、柚本紗希は逆に若い男性ピンク映画ファン(津田篤)をスクリーンの中に捕える役なんですがね。
閉鎖された上野オークラ劇場旧館で繰り広げられる不条理な展開の元は残酷描写で話題となったらしい「SAW」という映画がベースになっているとか。こっちはその映画シリーズについて全く知識が無いので(機会があったら見てみましょ)ウルトラマンの「無限へのパスポート」を想起しながら、如何なる事かと・・・。
その後、あやつり人形と登場人物によって展開される内容は、年々製作本数の減ってきて、衰退傾向にあるピンク映画、そして、そのファンであるモテない男たち、作品のファンとしてピンク映画上映館に来館する女だてらのファン、に対して観客罵倒の形を取って自虐的に表現されていく。そこには監督のピンクに対する並々ならぬ愛情というものを感じるわけだが、ピンク映画のジャンルに留まらず作品を送り込む友松監督は、たまたまのピンクというジャンルであって、思い入れはそれほど無いと言ってのけてます。それはポーズもあるかもしれないですけれどね・・・
私としてはピンク映画、とその業界、偏ったファンに対して監督の「衰退させちゃいけない頑張ろうぜ」との声が聞こえてくるといった、そんな感慨を持ちましたよ。
そして、下手な心温まる人間ドラマに陥ったりせずに、あくまで下品な基本スタンスを貫く、センスの良さや製作者としての演出、編集の技量の高さなどを見せつけられると・・・
これはちょっと例えてみるとですねぇ。先人の面白く魅力的な落語の世界から隔たってしまったセンスの悪い退屈な昭和落語家の中でキラリと光る才能、立川談志師に巡り合った時の、あの感覚に似ていやしないか・・・
とまで思ってしまいましたよ。言いすぎですか・・・。
ネット上で倖田李梨のモデルになった女性が落ち込んでしまっていて、それに対して謝罪しながらも、どこまでも「やらせない女」として攻撃するスタンス。友松作品は、男の性から見れば、かなり信頼して鑑賞できる作品群に違いない。
今後も友松監督作品の映画なら、無条件で鑑賞したいものだ。そんな気持ちにさせる「囚われの淫獣」及びネット上の盛り上がりでございました。
柚本紗希出演作も同様にチェック、忘れぬよう・・・。
銀座シネパトス
「囚われの淫獣」2011年 OP映画 監督:友松直之
ピンク映画館のスクリーンはホテルの一室で男と絡むサオリの姿が映し出された。閉鎖された劇場のロビーで目を覚ます5人。女性客・ユリコ、従業員・アケミ、男性客・タナカ、スズキ、ヤマダ。記憶は喪失し、なぜここにいるのか誰も理由を知らなかった。やがてユリコとスズキが隣に移動した新館へ映画を見に来たことを思い出す。5人は新館へ戻ろうとするが、ベニヤ板が打ち付けられ出入口は封鎖され、非常口も外から施錠されていた。男たちは強行突破を決断し、ベニヤ板を壊し外へと出るが、何度繰り返してもロビーから出れない。途方に暮れた5人が客席に入ると、操り人形がスクリーンに映し出され、どんな映画が観たいのかと尋ねた…。
衝撃作、問題作と評判の友松直之監督「囚われの淫獣」、漸く鑑賞が適った。
オープニングに登場するのは操り人形の前説?、携帯電話の電源はお切りくださいなど映画鑑賞マナーの呼びかけ。でもピンク映画館でのマナーだから、そこは緩く、はずれちゃってる。フィルムにダメージを加えたような加工と人造的な声(声は友松監督らしいです)という独特の世界観がめちゃくちゃカッコ良くて引きつけられる。
この人形は「老人とラブドール 私が初潮になった時」でも使われたお馴染みの物(個体は別の物かも)で監督自ら、よほどお気に入りの世界観なのかもと思う。そういう面は確かにあるんだろうが、これは身内に人形劇団員がいらっしゃって拝借したとの事。
・・・いろいろと裏話に触れていますが、鑑賞後、問題作としてネット上で監督自らも発言する盛り上がりサイトから得た情報。このネットでのピンクファンの盛り上がり状況が映画同様に面白いので、ついつい夜更かしして覗き込んでしまったんよ。
旧オークラ劇場スクリーンに映し出される成人映画。柚本紗希のイメージビデオ的な作品が流れる。この柚本紗希さんがとりたてて美人とか可愛いとかではない(否、可愛いですね、やっぱり)のにとても良い雰囲気。エッチにしてもとっても気持ちよさそうで、ちゃんとピンク映画のエロ度として十二分に満足できるのだから頼もしいじゃないですか。
ちなみに画像では柚本紗希が磔形に囚われていますが、このようなシーンは無く、柚本紗希は逆に若い男性ピンク映画ファン(津田篤)をスクリーンの中に捕える役なんですがね。
閉鎖された上野オークラ劇場旧館で繰り広げられる不条理な展開の元は残酷描写で話題となったらしい「SAW」という映画がベースになっているとか。こっちはその映画シリーズについて全く知識が無いので(機会があったら見てみましょ)ウルトラマンの「無限へのパスポート」を想起しながら、如何なる事かと・・・。
その後、あやつり人形と登場人物によって展開される内容は、年々製作本数の減ってきて、衰退傾向にあるピンク映画、そして、そのファンであるモテない男たち、作品のファンとしてピンク映画上映館に来館する女だてらのファン、に対して観客罵倒の形を取って自虐的に表現されていく。そこには監督のピンクに対する並々ならぬ愛情というものを感じるわけだが、ピンク映画のジャンルに留まらず作品を送り込む友松監督は、たまたまのピンクというジャンルであって、思い入れはそれほど無いと言ってのけてます。それはポーズもあるかもしれないですけれどね・・・
私としてはピンク映画、とその業界、偏ったファンに対して監督の「衰退させちゃいけない頑張ろうぜ」との声が聞こえてくるといった、そんな感慨を持ちましたよ。
そして、下手な心温まる人間ドラマに陥ったりせずに、あくまで下品な基本スタンスを貫く、センスの良さや製作者としての演出、編集の技量の高さなどを見せつけられると・・・
これはちょっと例えてみるとですねぇ。先人の面白く魅力的な落語の世界から隔たってしまったセンスの悪い退屈な昭和落語家の中でキラリと光る才能、立川談志師に巡り合った時の、あの感覚に似ていやしないか・・・
とまで思ってしまいましたよ。言いすぎですか・・・。
ネット上で倖田李梨のモデルになった女性が落ち込んでしまっていて、それに対して謝罪しながらも、どこまでも「やらせない女」として攻撃するスタンス。友松作品は、男の性から見れば、かなり信頼して鑑賞できる作品群に違いない。
今後も友松監督作品の映画なら、無条件で鑑賞したいものだ。そんな気持ちにさせる「囚われの淫獣」及びネット上の盛り上がりでございました。
柚本紗希出演作も同様にチェック、忘れぬよう・・・。
銀座シネパトス