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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「わたしは光をにぎっている」

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「わたしは光をにぎっている」2019年 ファントム・フィルム 監督;中川龍太郎
Mio on the Shore

20歳の宮川澪は、両親を早くに亡くし、祖母と2人で長野県の湖畔の民宿を切り盛りしていたが、祖母が入院してしまったことで民宿をたたまざるを得なくなる。父の親友だった涼介を頼りに上京し、涼介が経営する都内の銭湯に身を寄せた澪は、都会での仕事探しに苦戦し、次第に銭湯を手伝うようになる。そして個性的な常連客たちと交流し、徐々に東京での生活に慣れてきたある日、銭湯が区画整理のため閉店しなければならないことを知った澪は、ある決断をする。



エンディング曲契機で映画観るのは初めての体験。そしたら映画も良かった。
婆臭い歩き方の澪(松本穂香)がシャンと歩き去るまでの成長を描く。

コミュニケーションに問題がある澪の不器用さは、本当に大丈夫かなと心配になるのだが・・・
ところどころ、あれ?こいつは?と思わせる。
覗きの爺さんに「犯罪ですよ!」
あんな大きな声でるんだ。と叔父を驚かせたり、苦手な相手の勧めるスッポン鍋を徹底拒否したり。
お婆ちゃん(樫山文枝)に育てられた澪は祖母の死での帰郷をきっかけに、素質(?)を開花させるかのように成長した姿を見せる。
少し唐突な感じもするが、素地があれば、案外そういうことはあるのかもしれない。



信州や東京の立石、伸光湯は清瀬市らしい。
ロケ地の選び方や風景の撮りかたが美しい。
そして、テーマである光の捉え方。

山村暮鳥の詩
______


自分は光をにぎっている

いまもいまとてにぎっている

而もをりをりは考へる

此の掌をあけてみたら

からっぽではあるまいか

からっぽであったらどうしよう

けれど自分はにぎっている

いよいよしっかり握るのだ

あんな烈しい暴風(あらし)の中で

掴んだひかりだ

はなすものか

どんなことがあっても

おゝ石になれ、拳

此の生きのくるしみ

くるしければくるしいほど

自分は光をにぎりしめる


詩的で美しい映像を観れば明らかに監督が好きなSSRにエンディング依頼した事が解る。
監督からのリクエストは明るい感じで
オファーした監督のセンス。
暮鳥にも劣らぬ歌詞を作るシンガー。



呑んだくれのおじさん光石研、コミュ苦手な澪が真摯に銭湯を掃除するシーン。自分は掃除大嫌いだけど人が掃除してる姿って尊くてそれだけで感動的。



ここ数年でどれだけ自分の好きな場所や行きたい場所が無くなったろうか?都内の銭湯巡りたくなるけど劇中みたいな時代がかった銭湯無いかな。伸光湯はまだあるらしい。





澪に自身の姿を重ねあわせたカネコさん。

カネコアヤノ - 光の方へ


新宿武蔵野館


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