東京にこにこちゃん
「ラストダンスが悲しいのはイヤッッ」
脚本:萩田頌豊与
余命ない女の子・美笑が自分の葬儀プランを家族で決めようとエンディングプランナー(葬儀社)に相談に来るが・・・
悲しい葬式にならないように抗う女の子の葬式コメディ。
今回はしじみ主演という事と昨秋観たオルギア視聴覚室のhocoten(劇団 地蔵中毒)、トリオ・コントのピーチ等の出演を知り早々に予約。
3日目夜の部
小劇団の輪ってこうして広がっていくのか。
喪服で踊るしじみをモデルにしたチラシ・イラストやタイトル、概要からかなり期待持てる作品と思ってはいたが、SNSでの評判が頗る良いので鑑賞前に十二分にハードル上げてやってきたが、それを軽々と超える素晴らしい台本と舞台でした。
上演は終わったのでネタバレ御免で。
良くできてるな、コレ。演劇の事は詳しくないけど、何かセオリーみたいのがあってそれをキッチリ踏まえている感じがした。
辷る事と紙一重のギャグ・アイデアとかは何か手本でもあるのかしら。
ギャグ乗りに微妙さを感じつつも終盤のクライマックスからウルウルして来ちゃう。
実は与太郎が一番真実を見据えているという約束事が守られてる事を知れたあたりからヤバい涙腺。
まずもって、登場人物のキャラ立ちが良い。
9歳・真一のバカキャラはキツかったけれど。
狂った人物や変態も多い中、それぞれしっかり役者が演じているように感じられた。
なかでもハート鷲掴みされたのは美笑の母親役、石井エリカのキャラ設定。とても良い。
一気にファンになる。
twitter垢のプロフィールには「美人とゴリラができます」とあるが、今回は美人だったのかゴリラだったのか・・・
しじみとピーチの直木ひでくにが比較的まともなキャラ。(それでも狂気を見せる処あり)
しじみの本領は至るところに発揮されている。健気さ、優しさ、回想シーンでのあどけなさ、そしてあらん限りの爆発。
今、しじみさんは映画より舞台なのかもしれない。どっちにしても食っていくのは大変そうだけど応援するしかない。が
上昇志向の女性プランナー久保を演じる青柳美希の「申し訳けございません」の本音に潜む狂気。
バカ真一の母・矢野杏子のエロな奇行。幼い頃の美笑の偽物として登場するもおじさんにガン無視されるギャグにはまいった。
お目当てでもあったhocotenのガチ演技を初めて観られたのも良かった。メンヘラ少女な感じ、かなり達者と思う。
ネクロフィリアガイキチぐんぴぃの火師(太ったおじさん)。
終盤には緊迫した救出劇のスリル感。火葬場の7つのボタンを押さないと死ぬ事が決まっている娘が死んでしまう、助けなければならないのだ。
当然最後のヒーローはお父さんのピーチ・栗田ばねかと思いきや太ったおじさんに持ってかれてる。
無事救出された娘・美笑がそんなお父さんに自分の葬儀プランを託すのだが・・・
いよいよ葬儀シーン
出演者が全員で葬儀社となり舞台を手際よく祭壇に変えていく。
観客一人一人も参列者の位置になる。
やはり前売りチケット代2800円は香典袋に包んでくるべきかと・・・
気になるキャラ、石井エリカの塩乃目雅子が葬儀にはそぐわない露出度高い喪服。これがミソでやんす。
前半でパンクバンド寿限無のドラマーという坊主、てっぺい右利きが出て来た事とタイトルから凡そ予想の付くラスト。
従って意表を突くラストというよりも、そうだよ、こうこなくっちゃ!という満足と感動が押し寄せる。
あの葬儀シーンと棺から立ち上がった美笑の得も言えぬ表情はずっと目に焼き付けておく。美しかった。
あまりに良すぎて、あそこでのBGMの記憶が飛んでる。BGMがあったのか、てっぺい右利きの木魚ビートか。
最早自分の脳内ではあのシーンは無音。それでもぜんぜんOKというか、何か映画的。
タイトルに関しては落ちの想像が付いてしまうところ難点だけど、このような小劇団、集客効果の意味からすると優れたタイトル
実際、自分も鑑賞動機の一つになってるからね。
古典落語「片棒」なんぞは蹴散らかす破壊力。
人の生死に関わるコメディとして本流。
主宰の萩田頌豊与氏。前説前と上演後挨拶に立つヘラヘラの挙動不審さ、配付プログラムの挨拶文にも表れている。
この青年がどれほどの才能を持っているのか知らないけど是非とも頑張ってもらいたい。
品切れとなっていた台本の後日郵送を依頼した。リピートしたかったけれど無理なので台本読んで反芻する算段。
しじみさん出演の舞台を3つ4つ観たがどれもこれも高い満足度。
一度くらい金返せっていう作品にもぶつかって、評価が贔屓目でないことを確認したい。
観劇素人でハードルが低いって事じゃないと思うんだ。
荻窪小劇場
「ラストダンスが悲しいのはイヤッッ」
脚本:萩田頌豊与
余命ない女の子・美笑が自分の葬儀プランを家族で決めようとエンディングプランナー(葬儀社)に相談に来るが・・・
悲しい葬式にならないように抗う女の子の葬式コメディ。
今回はしじみ主演という事と昨秋観たオルギア視聴覚室のhocoten(劇団 地蔵中毒)、トリオ・コントのピーチ等の出演を知り早々に予約。
3日目夜の部
小劇団の輪ってこうして広がっていくのか。
喪服で踊るしじみをモデルにしたチラシ・イラストやタイトル、概要からかなり期待持てる作品と思ってはいたが、SNSでの評判が頗る良いので鑑賞前に十二分にハードル上げてやってきたが、それを軽々と超える素晴らしい台本と舞台でした。
上演は終わったのでネタバレ御免で。
良くできてるな、コレ。演劇の事は詳しくないけど、何かセオリーみたいのがあってそれをキッチリ踏まえている感じがした。
辷る事と紙一重のギャグ・アイデアとかは何か手本でもあるのかしら。
ギャグ乗りに微妙さを感じつつも終盤のクライマックスからウルウルして来ちゃう。
実は与太郎が一番真実を見据えているという約束事が守られてる事を知れたあたりからヤバい涙腺。
まずもって、登場人物のキャラ立ちが良い。
9歳・真一のバカキャラはキツかったけれど。
狂った人物や変態も多い中、それぞれしっかり役者が演じているように感じられた。
なかでもハート鷲掴みされたのは美笑の母親役、石井エリカのキャラ設定。とても良い。
一気にファンになる。
twitter垢のプロフィールには「美人とゴリラができます」とあるが、今回は美人だったのかゴリラだったのか・・・
しじみとピーチの直木ひでくにが比較的まともなキャラ。(それでも狂気を見せる処あり)
しじみの本領は至るところに発揮されている。健気さ、優しさ、回想シーンでのあどけなさ、そしてあらん限りの爆発。
今、しじみさんは映画より舞台なのかもしれない。どっちにしても食っていくのは大変そうだけど応援するしかない。が
上昇志向の女性プランナー久保を演じる青柳美希の「申し訳けございません」の本音に潜む狂気。
バカ真一の母・矢野杏子のエロな奇行。幼い頃の美笑の偽物として登場するもおじさんにガン無視されるギャグにはまいった。
お目当てでもあったhocotenのガチ演技を初めて観られたのも良かった。メンヘラ少女な感じ、かなり達者と思う。
ネクロフィリアガイキチぐんぴぃの火師(太ったおじさん)。
終盤には緊迫した救出劇のスリル感。火葬場の7つのボタンを押さないと死ぬ事が決まっている娘が死んでしまう、助けなければならないのだ。
当然最後のヒーローはお父さんのピーチ・栗田ばねかと思いきや太ったおじさんに持ってかれてる。
無事救出された娘・美笑がそんなお父さんに自分の葬儀プランを託すのだが・・・
いよいよ葬儀シーン
出演者が全員で葬儀社となり舞台を手際よく祭壇に変えていく。
観客一人一人も参列者の位置になる。
やはり前売りチケット代2800円は香典袋に包んでくるべきかと・・・
気になるキャラ、石井エリカの塩乃目雅子が葬儀にはそぐわない露出度高い喪服。これがミソでやんす。
前半でパンクバンド寿限無のドラマーという坊主、てっぺい右利きが出て来た事とタイトルから凡そ予想の付くラスト。
従って意表を突くラストというよりも、そうだよ、こうこなくっちゃ!という満足と感動が押し寄せる。
あの葬儀シーンと棺から立ち上がった美笑の得も言えぬ表情はずっと目に焼き付けておく。美しかった。
あまりに良すぎて、あそこでのBGMの記憶が飛んでる。BGMがあったのか、てっぺい右利きの木魚ビートか。
最早自分の脳内ではあのシーンは無音。それでもぜんぜんOKというか、何か映画的。
タイトルに関しては落ちの想像が付いてしまうところ難点だけど、このような小劇団、集客効果の意味からすると優れたタイトル
実際、自分も鑑賞動機の一つになってるからね。
古典落語「片棒」なんぞは蹴散らかす破壊力。
人の生死に関わるコメディとして本流。
主宰の萩田頌豊与氏。前説前と上演後挨拶に立つヘラヘラの挙動不審さ、配付プログラムの挨拶文にも表れている。
この青年がどれほどの才能を持っているのか知らないけど是非とも頑張ってもらいたい。
品切れとなっていた台本の後日郵送を依頼した。リピートしたかったけれど無理なので台本読んで反芻する算段。
しじみさん出演の舞台を3つ4つ観たがどれもこれも高い満足度。
一度くらい金返せっていう作品にもぶつかって、評価が贔屓目でないことを確認したい。
観劇素人でハードルが低いって事じゃないと思うんだ。
荻窪小劇場