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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「性の起原」

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「脚本家 新藤兼人」

「性の起原」1967年 近代映画協会 監督・脚本:新藤兼人

ノイローゼで入院した51歳の殿山泰司は相部屋の少女を襲うという行動に及ぶ。一方、息子はその少女を探して付き合うようになり・・・。男として衰え死に近づきつつある父と、頂点を迎えつつある息子。生き物としての人間を観察し”生と性”を生涯のテーマとした新藤が迫る性の起原。



メンタル病んで職場での立場も悪くなり性も衰え行く父とこれから盛んに登って行く息子。
小心者の父・殿山泰司は出来すぎのしっかり女房・乙羽信子が着いていて悲壮感はなく乙羽信子の存在感が強すぎる。
衰えながらも父権が辛うじて存在していた時代。乙羽信子のように徹底的に亭主を立て尽くす女房が居てもメンタル病むのだから今のお父ちゃんたちに病む人多いの頷ける。
殿山泰司の行動をお誘いと勘違いしてウキウキ応じようとする乙羽信子がいい。

砂丘砂まみれで駈け降り全裸海水浴。

寝顔可愛い松尾嘉代、ハンドバッグぶん回して歩く処女。
赤座美代子の妹感。
今観ると、後年、熟女優としてならす二人の若々しさがテーマと合致し残酷さが増す効果がある。





乙羽信子が鳩放つシーンで終るが一つ前の実家の寺で林秀樹と激しく包容する松尾嘉代のシーンが鮮烈なのであそこで終る方が好き。



シネマヴェーラ渋谷

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