「追悼特集 成澤昌茂 映画渡世」
「浅草紅団」1952年 大映 監督:成澤昌茂
戦前浅草のモダニズムを描いた川端原作を戦後に置き換え、見事な風俗映画に仕上げた成澤の筆が冴える。女剣劇の座長・京マチ子、レビュー劇団員の乙羽信子、根上淳を中心に物語は展開するが、浮浪者、娼婦、ポン引き、踊子、見世物小屋等、美と醜が混在する大震災後の浅草も興味深い。
川端康成原作だけどこれはその中からの1Epを引張り出して来たんかな。時代設定も大胆に変えてるからオリジナルかな?
別れ別れの姉妹ストーリーは兎も角、京マチ子・紅龍子の劇中剣劇がもう、いいぞ!日本一!な素晴らしさ。外連味、殺陣、見栄、早変り、芝居台詞,舞台シーンが冒頭と終盤に集中してるのも良い。終盤では獅子舞まで披露、振り付けの所作の美しい事ったら。舞台外よりも不思議と小顔に見える。
また、京マチ子の新たな魅力発見となった。
十二階とか当時の浅草や上野、地下鉄銀座線などの風景が見られるのも値打ち。
物語の方は、読んでないけど調べる限り原作の方が断然面白そう。読みましょうね。
シネマヴェーラ渋谷
2021年7月
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「浅草紅団」
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