「才気と洒脱 中原康の世界」
「密会」1959年 日活 監督:中平康 35mm
「私みたいなおばあちゃんでいいの?」大学教授夫人は夫の教え子の耳元で囁く。10分近い長回しの濃密な濡れ場シーンから始まり、事件に巻き込まれた二人が破滅するまでをスピーディーに描くラブ・サスペンス。年上夫への不満から若い男との情事にのめり込むも、一転保身に走る悪女を桂木洋子が熱演。
桂木洋子。立川志らくが激推ししているのを知ったのは、もう20年以上前かな。へぇー、そんなに言うのなら一度見てみたいと思っていた。もう一、二本は見たんだろうと記録を調べてみたら、なんとまだ一本も見ていなかったのだ。つまりお初の鑑賞。
んんん、こりゃ凄い。既に桂木洋子はアラサーで、自分の勝手なイメージとはぜんぜん違うキャラを演じていた。じっとりとした色気がヤバい。
大学教授との満たされない生活で、夫の若い教え子とよろめく。
冒頭の草むらでのいちゃいちゃシーン。雨の滴る接吻。着物姿の桂木洋子。
密会現場で殺人事件を目撃してしまうが、不倫の仲がバレてはならぬと保身に走る人妻。純朴な学生は良心の呵責、義憤から警察へ届けようと言い出するので・・・
よくあるよろめきサスペンス展開。というか既視感のあるプロット。
日活ロマンポルノ「ズームアップ暴行現場」のやつですね。まさか桂千穂、本作から戴いちゃったわけでもないと思うけど。原作は吉村昭。
事に及ぶ駅のホームのシーン。小田急線梅が丘なんでしょうか?
一瞬、電線工事の俯瞰になるのが巧み。
大学教授・宮口精二との夫婦生活、淡泊ながらもたまにはしたがる宮口精二。
妊娠を急かしたり、夫婦生活にずけずけ言及してくるおばはん。
まさに、中平康の才気が迸る一本。
シネマヴェーラ渋谷
2022年6月
「密会」1959年 日活 監督:中平康 35mm
「私みたいなおばあちゃんでいいの?」大学教授夫人は夫の教え子の耳元で囁く。10分近い長回しの濃密な濡れ場シーンから始まり、事件に巻き込まれた二人が破滅するまでをスピーディーに描くラブ・サスペンス。年上夫への不満から若い男との情事にのめり込むも、一転保身に走る悪女を桂木洋子が熱演。
桂木洋子。立川志らくが激推ししているのを知ったのは、もう20年以上前かな。へぇー、そんなに言うのなら一度見てみたいと思っていた。もう一、二本は見たんだろうと記録を調べてみたら、なんとまだ一本も見ていなかったのだ。つまりお初の鑑賞。
んんん、こりゃ凄い。既に桂木洋子はアラサーで、自分の勝手なイメージとはぜんぜん違うキャラを演じていた。じっとりとした色気がヤバい。
大学教授との満たされない生活で、夫の若い教え子とよろめく。
冒頭の草むらでのいちゃいちゃシーン。雨の滴る接吻。着物姿の桂木洋子。
密会現場で殺人事件を目撃してしまうが、不倫の仲がバレてはならぬと保身に走る人妻。純朴な学生は良心の呵責、義憤から警察へ届けようと言い出するので・・・
よくあるよろめきサスペンス展開。というか既視感のあるプロット。
日活ロマンポルノ「ズームアップ暴行現場」のやつですね。まさか桂千穂、本作から戴いちゃったわけでもないと思うけど。原作は吉村昭。
事に及ぶ駅のホームのシーン。小田急線梅が丘なんでしょうか?
一瞬、電線工事の俯瞰になるのが巧み。
大学教授・宮口精二との夫婦生活、淡泊ながらもたまにはしたがる宮口精二。
妊娠を急かしたり、夫婦生活にずけずけ言及してくるおばはん。
まさに、中平康の才気が迸る一本。
シネマヴェーラ渋谷
2022年6月