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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「うずく人妻たち 連続不倫」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 part1
-午後8時の映画祭-

「うずく人妻たち 連続不倫」2007年 新東宝 監督:福原彰

小説家の俊夫は年上の人妻光枝と温泉へ旅行へ出かけ、旅館で情事に溺れるが、その夜、光枝の娘が交通事故で死んだという報せが入る。それを機に二人は別れた。そして十年後。小説に行き詰った俊夫は妻の美紀に愛想を尽かされ、再びあの旅館を訪れるが、偶然にもそこで光枝と再会し…。


これは、大傑作。
何も知らずに、期待もせずに、人妻不倫のピンク映画だろうと見始めたけれど、冒頭の亭主と待ち合わせ前に若い俊夫とラブホテルで不倫する人妻(美月ゆう子)
人妻が呟く台詞にただものでは無い作品の予感・・・。「家庭は家庭、SEXは別、あなたと逢ってそれが解った」

でもこの2人の話はプロローグにしかすぎず、内容は光枝(佐々木麻由子)と俊夫(岡田智宏)の12年の時を隔てた物語。
脚本が良いんでしょう。台詞がグッときちゃう。
エロ・シーンも冗長にならずに良いバランス。

12年の歳月の隔たりを岡田智宏と佐々木麻由子が見事に演じる。
両名、本作品で賞を獲ったって。納得。

人妻専門の若き色男の岡田智宏。
いつも甘いマスクでカッコ良いピンク常連の男優さんだが、役所から言ってもこれってピカイチの代表作では。
若い頃の年上を相手にしながら、将来作家への夢も有望で自信に満ちている姿。

しかし、12年後、小説の方は1回賞を獲るものの、その後書けずに。ついには年上の奥さん(里見瑤子)に暴力を振るダメっぷり。
里見瑤子の方もしっかり不倫していて脱ぎ要員としてからんで見せる。

12年前と同じペンションで光枝と再会。
光枝は12年前に俊夫との不倫中に愛娘を交通事故で亡くしているが、夫の理解もあり今では農家のおばちゃん。
38歳と50歳の熟女を中途半端な熟女っぷり(?)の印象のある佐々木麻由子が好演。こちらも代表作かも。

浴場でのシーン。夫を裏切る事はできないと拒む光枝にシツコク迫る俊夫ですが、光枝の一言に涙しちゃいます。
「相変わらず自分のことだけね。小説が書けないのも判る気がする。奥さんが離れていくのも・・・」
あぁ、情けないダメ男。そう彼は自殺も考えての旅だったのですから。
ここツボですよ。のめりこんじゃって、ピンク映画を見ているのに先走りがあそこじゃなくて目から出そうになったヨ。
しかし、この涙が往年の色男、作為的ではないだろうけど、心の奥に未練のあった光枝はもうダメです。そりゃそうなる運命。この情感。

それだけじゃなく、輪を掛けて人生達観の光枝の夫(中村方隆)の存在。この方の演技は、ちいと臭いが・・・。

不倫に対する男側の身勝手さなんかも岡田智宏となかみつせいじによって演じられ、とても面白い作品だった。

シネパトス銀座

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