「あんのこと」2024年 キノフィルムズ 監督・脚本:入江悠
売春や麻薬の常習犯である21歳の香川杏は、ホステスの母親と足の悪い祖母と3人で暮らしている。子どもの頃から酔った母親に殴られて育った彼女は、小学4年生から不登校となり、12歳の時に母親の紹介で初めて体を売った。人情味あふれる刑事・多々羅との出会いをきっかけに更生の道を歩み出した杏は、多々羅や彼の友人であるジャーナリスト・桐野の助けを借りながら、新たな仕事や住まいを探し始める。しかし突然のコロナ禍によって3人はすれ違い、それぞれが孤独と不安に直面していく。
映画の内容の前にまた新たな地元映画に出会えたのは良かった。
小さな新聞記事から着想を得たドラマ。
人はどん底の時にどのような人に出会うかってとても重要。重たい内容だけど更正に向けて日記とマットを買うシーン、希望が見える杏(河合優実)が良かった。しかし、出会えた人にも深い闇があって翻弄されてしまう。
河井青葉の呼ぶ「ママ」落語枕を地で行ってて怖!生涯親にはなりたく無えねってやつ。自分もふざけて言ったりするけど。
小学校もまともに行ってない無知の杏だけどこの曲は聞いたことある。心のずっと奥の方。
ブルーインパルス使いが痛烈。
佐藤二朗が生活保護受給窓口の対応にブチ切れるなど、批判的に描かれているのは良かったが、物語の落とし前の付け方が少し残念。ラストの付け足し感は好きじゃなかった。
それにしても、毎回、河合優実が良いので出演作全てというわけには行かないけど、良さそうなのは今後もチェックしていきたい。
新宿武蔵野館
2024年6月