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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「トルコ110番 悶絶くらげ」

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「ロマンポルノの時代」

「トルコ110番 悶絶くらげ」1978年 日活 監督:近藤幸彦

吉原の風俗街。この街に住み、女をソープランドに斡旋しながら生きている三浦は、ある日、若いアベック、チヨマ(原悦子)と則夫に出会った。チヨマはトルコで三年間だけ辛抱して、自分たちの店を持つという夢をもっていた。三浦はチヨマをトルコに斡旋し、則夫を住込みのボイラーマン見習いとして働かせた。三浦は、沖縄から飛びだしてきた由起(吉沢由起)に声をかけ、その夜、由起は三浦に処女を捧げるのだった。しかし三浦は、由起がこの街で勢力を持つ青葉会の島谷(益富信孝)の絡む女と知り、彼女が覚醒剤で体を滅茶苦茶にされ、トルコに売られることを知りながらも、彼女から手を引く・・・。

当時の原悦子人気というのはすごかったですよね。ポルノ界から一般的なアイドルが出現するというのも、まだ珍しかったんでしょう。大学の学園祭にも呼ばれてましたな。

本作はそんな原悦子がトルコ嬢となる作品で、当時から見ておきたい作品としてこのタイトルを記憶しておりました。

タイトルと言い、吉原風俗街のトルコの看板と言い、古き良き時代の青春物語。トルコという名称が使えなくなると聞いた時は頭に来たね。まぁ、その後の命名ソープランドが秀逸だったのが幸いしてすっかり定着したから良かったものの・・・。手前たちの国名変えろよ、ソープランドの首都はアンカラってね。

それはさておき、
原悦子のチヨマは17歳。いくらアイドルとはいえ、良く見ると意外と老け顔なのでちと辛いが・・・。関西弁を操る原悦子も意外な感じ?
かなり、強かで、恐ろしいトルコ街でもたくましく立ち振る舞い、人気者。天性のものなんでしょう。恋人の男の方が青葉会にびびり気味。
対照的に沖縄から出てきた吉沢由起は、毒牙にかかり廃人状態。

チヨマに技術を仕込む先輩トルコ嬢が片桐夕子。クールな先輩と思われたが悪い男に捕まっている様子。店の階段下でねだってのシーンが良いね。
ショートヘア好みの私だが、原悦子より片桐夕子派だと再確認。

業界で上手く生きていけてたはずのチヨマも、気づけば恋人、三浦と周囲は去ってしまい・・・。
今一何を撮りたいのか釈然としなかった本作でしたが、ラストでそれまで薄化粧のトルコ嬢チヨマがケバケバしいメイクでサービスをしているシーンは、妙に説得力があり惹きつけられた。

何はともあれ、刺青スジ彫、青葉会島谷役の益富信孝の強面で軽快な演技が見れたのが嬉しい。
この人、本当にイイよね。

高倉健の「唐獅子牡丹」が巧妙に使われている。

ラピュタ阿佐ヶ谷


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