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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「暴行切り裂きジャック」

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〈ピンク映画50周年記念特集〉
PINK FILM CHRONICLE
1962-2012番外編
日活ロマンポルノセレクション

「暴行切り裂きジャック」1976年 日活 監督:長谷部安春

ケーキ屋でウエイトレスとして働くユリと、下っ端ケーキ職人のケン。二人が車に乗せてやった女は頭がおかしいらしく、腹を立てた二人は女を車から突き落として死なせてしまう。女の死体を近くのスクラップ場に遺棄した二人は、その興奮から性交に及び絶頂を迎えた。二人はその後も関係を続けるのだが、あのときのような快楽を得ることができない。ユリはケンをそそのかし、美少女や金持ちの婦人を拉致し殺害、その場で欲情しセックスにふけった。しかしケンは、ユリとのセックスではなく、殺人そのものに興奮するようになっていた。

76年の作品。当時はまだ年齢が達していず、ポルノ映画は憧れの存在。盗み見した週刊誌でグラビア付きロマンポルノ特集記事があり、紹介されていたのが本作。そのためか個人的には本作、および桂たまきというのはロマンポルノの象徴として擦り込まれた。
しかも、無差別快楽殺人、ジャック・ザ・リパーをモチーフにされているのだから、いつか観たいと思っておったわけで、念願叶いました。

期待を裏切る事の無い迷作に満足。時代を考えれば尚の事。
まず、オープニングタイトルが洒落ている。ケーキも文字もスパッと切り裂かれていく。

暴行切り裂きジャックのタイトルバック

桂たまきのブサイク不貞腐れ顔が堪りません。アフロ・グラマー。
性格もバディも下品でエロな好き物変態。林ゆたかを唆して殺人を仕向け、その後の快楽セックスでアヘアヘ。

ロマンポルノ女優の象徴と思い込んでいたのに、その後、意外と出演作は少ない。これ一発?・・・とても残念であります。

快楽殺人へのきっかけとなった狂女(山科ゆり)殺害シーンでは、この後どんだけホラー展開になるのかと期待したものですが、期待は裏切られ・・・。しかし、見て行くと、想像とはまったく別の本作の魅力が判明していくのであります。

標的として狙われる豪華女優陣の美しさと桂たまきのコントラストもナイス。
狙われる女優陣
テニスルックの上流お城様、廃墟のボーリング場に縛られる八城夏子
強制フェラの末、西洋墓地に埋められる岡本麗
ホテルのシャワールームで切り裂かれるコールガールの丘奈保美
屋上で刺殺される巫女、潤まり。見憶えのあるその顔は。おぉ!後の「玉割人ゆき」の潤ますみさんですね。
美しさの極めつけは閉店後の店で襲われるブティック・デザイナーの高村ルナ。美貌に黒い下着、赤い切り傷。「修道女ルナの告白」も当然未見の憧れ作品。
病院の看護婦寮で「犯された白衣」のように連続殺害されていく方々は、もう端役で私には役名が、どれがどの方なのか解りませんが・・・
梓よう子、飯田虹子、森みどり、と言った名前が並びます。

物語は上記の犠牲者を生みながら、次第に焦点は教唆側の桂たまきから、実行犯の林ゆたかに移って行く。殺人そのものからくる快楽故に、その後の桂たまきとの行為に虚無的で、無表情にサンドイッチなんか食ってる林ゆたか。

「犯された白衣」の管検突入というラスト(あれはあれで良いのですが)に比べ、終始かかるスキャットのせいか、扱っている題材の割に後味がなんともさわやか。

70年代、快楽殺人をこのように扱った長谷部監督に拍手。

銀座シネパトス

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