「イノセント・ガーデン」2013年 米 監督:パク・チャヌク
原題:STOKER
外の世界を遮断するように建てられた、大きな屋敷に暮らしている少女インディア・ストーカー。自身の誕生日に、愛していた父親が交通事故で帰らぬ人となってしまう。彼女は、母と葬儀に参列すると、そこへ行方がわからなくなっていた叔父のチャーリーが突如として姿を現わす。彼と屋敷で暮らすことになるが、それを発端にしてインディアの周囲で不可解な現象が頻発するようになる。
申し訳ないが、韓国人はみんな同じに見えてしまうし、韓国人の名前さえその違いを判別することができないので、パク・チャヌクの初のハリウッド作と言われてもぼんやりしておりました。
「渇き」の監督で知られる鬼才と言われて、あ、「渇き」なかなか良かったもんなと思い出して劇場鑑賞してみました。
そしたらこれがなかなかにおっかなくも素晴らしいサスペンスで堪能。
いきなりオープニングで、ずいぶんとまた凝ったスーパーインポーズだなと眺めていましたがそれはほんの序の口で、これでもかこれでもかと凝りまくった映像表現の連続。
足を這いまわる蜘蛛とか、誕生日に父から送られ続けた同じデザインの靴をベッドに並べるとか、屋敷の庭も静謐で不気味。
最初のうちはこれはちょっとやりすぎでしょうと冷ややかに眺めておったわけですが、物語が進むにつれもう、その映像魔力に完全に打ちのめされて行っちゃうのです。
こんなにゾクゾク恐い恐いサスペンスは久しぶりです。残虐でエグいシーンなどはそれほど無いのに、あまりに五感の研ぎ澄まされたミア・ワシコウスカの演じる18歳の少女の心理が凝った映像表現で増幅されるのですね。
まったく関係性の無い場所で、扉を開けるという行為だけでシンクロさせたり、地下室の照明を揺らすと階上の母親(ニコール・キッドマン)の顔に明暗が浮かぶサブリミナル的なショットの挿入とか・・・それはそれは、ボディブローのように恐さが効いてくる。
叔父さん(マシュー・グード)は登場から不気味な蜥蜴顔でしたが、不穏な雰囲気の真相が徐々に明かされ・・・
幼少の頃生き埋めにした子供を隠すように砂の上で両手両足を動かす行為。
インディアもメトロノームに合わせてベッド上でやっていました。最初は意味不明な行動だったのですけど。
あの動きは、ナイトメア・ビフォア・クリスマスのお気に入りキャラのモンスターが雪上でやっていた動作と同じだったので、個人的にとてもツボでした。・・・それは関係無いんですけど。
ピアノ連弾で発情するインディア。
五感鋭い彼女はオナニーも写生も凄いんです。
深夜の公園の遊具で回りながら、滑り台をかけ下りながら男友達を誘惑する優等生のインディア。そこでの事件により叔父と秘密を共有してのシャワールーム。
植物写生は花器の内側の模様を丁寧に・・・。
やりすぎ感の凝った映像は血で赤く染まる可愛い花で留めを刺しました。
本当にこれは恐かったです。殺人の動機とか、サスペンスとしての推理とかはどうでも良くてただただ、不穏なわけです。
脚本の良さをパクさんの仕事によってより輝かせちゃったって感じ。
ある種、血のなせる不気味さ、STOKERという名前・・・、やはりドラキュラの物語を想起させるものもあるんですね。
「渇き」もとても良かったですが、またそれとは違った衝撃がありました。
パクなんとやら、ただものじゃないのかも知れない。
噂のニコール・キッドマンはまともに観たのは初めてかもしれない。確かに美しいんだけど、本作だけではまだ良く解りません。キューブリックのやつは見たいですね。そのうち・・・。
新宿 シネマカリテ
原題:STOKER
外の世界を遮断するように建てられた、大きな屋敷に暮らしている少女インディア・ストーカー。自身の誕生日に、愛していた父親が交通事故で帰らぬ人となってしまう。彼女は、母と葬儀に参列すると、そこへ行方がわからなくなっていた叔父のチャーリーが突如として姿を現わす。彼と屋敷で暮らすことになるが、それを発端にしてインディアの周囲で不可解な現象が頻発するようになる。
申し訳ないが、韓国人はみんな同じに見えてしまうし、韓国人の名前さえその違いを判別することができないので、パク・チャヌクの初のハリウッド作と言われてもぼんやりしておりました。
「渇き」の監督で知られる鬼才と言われて、あ、「渇き」なかなか良かったもんなと思い出して劇場鑑賞してみました。
そしたらこれがなかなかにおっかなくも素晴らしいサスペンスで堪能。
いきなりオープニングで、ずいぶんとまた凝ったスーパーインポーズだなと眺めていましたがそれはほんの序の口で、これでもかこれでもかと凝りまくった映像表現の連続。
足を這いまわる蜘蛛とか、誕生日に父から送られ続けた同じデザインの靴をベッドに並べるとか、屋敷の庭も静謐で不気味。
最初のうちはこれはちょっとやりすぎでしょうと冷ややかに眺めておったわけですが、物語が進むにつれもう、その映像魔力に完全に打ちのめされて行っちゃうのです。
こんなにゾクゾク恐い恐いサスペンスは久しぶりです。残虐でエグいシーンなどはそれほど無いのに、あまりに五感の研ぎ澄まされたミア・ワシコウスカの演じる18歳の少女の心理が凝った映像表現で増幅されるのですね。
まったく関係性の無い場所で、扉を開けるという行為だけでシンクロさせたり、地下室の照明を揺らすと階上の母親(ニコール・キッドマン)の顔に明暗が浮かぶサブリミナル的なショットの挿入とか・・・それはそれは、ボディブローのように恐さが効いてくる。
叔父さん(マシュー・グード)は登場から不気味な蜥蜴顔でしたが、不穏な雰囲気の真相が徐々に明かされ・・・
幼少の頃生き埋めにした子供を隠すように砂の上で両手両足を動かす行為。
インディアもメトロノームに合わせてベッド上でやっていました。最初は意味不明な行動だったのですけど。
あの動きは、ナイトメア・ビフォア・クリスマスのお気に入りキャラのモンスターが雪上でやっていた動作と同じだったので、個人的にとてもツボでした。・・・それは関係無いんですけど。
ピアノ連弾で発情するインディア。
五感鋭い彼女はオナニーも写生も凄いんです。
深夜の公園の遊具で回りながら、滑り台をかけ下りながら男友達を誘惑する優等生のインディア。そこでの事件により叔父と秘密を共有してのシャワールーム。
植物写生は花器の内側の模様を丁寧に・・・。
やりすぎ感の凝った映像は血で赤く染まる可愛い花で留めを刺しました。
本当にこれは恐かったです。殺人の動機とか、サスペンスとしての推理とかはどうでも良くてただただ、不穏なわけです。
脚本の良さをパクさんの仕事によってより輝かせちゃったって感じ。
ある種、血のなせる不気味さ、STOKERという名前・・・、やはりドラキュラの物語を想起させるものもあるんですね。
「渇き」もとても良かったですが、またそれとは違った衝撃がありました。
パクなんとやら、ただものじゃないのかも知れない。
噂のニコール・キッドマンはまともに観たのは初めてかもしれない。確かに美しいんだけど、本作だけではまだ良く解りません。キューブリックのやつは見たいですね。そのうち・・・。
新宿 シネマカリテ