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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「恋愛準決勝戦」

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「映画史上の名作9」

「恋愛準決勝戦」1951年 米 監督:スタンリー・ドーネン
Royal Wedding

王女のご成婚祝賀のためロンドンに招かれたブロードウェイの人気兄妹ダンサー。兄は令嬢と、妹は英国紳士と恋に落ちるが・・・。

故談志家元の敬愛するフレッド・アステアは機会があれば見ておきたい人。安くDVDで入手可能だが、そういうのを買って勉強しようとは思わない。したがってシネマヴェーラの「映画史上の名作」特集はアステア鑑賞にうってつけなのです。

いいですね、劇場で観るアステア。
映画がどうのこうのより、ただアステアが動いてるだけで幸せな気分になる。
ここではジンジャー・ロジャースがお相手でなく、若いジェーン・パウエル、良くしゃべり、良く動く。
兄妹というよりも親子のようですが・・・
ガチガチの独身主義者の兄(自分は結婚すべき人間じゃないと信じてる)と可愛い顔してプレイガールな妹(とにかくモテモテ)がそれぞれの恋人と、結婚を選ぶか名声を得た仕事を継続すべきか悩むのだけれどロイヤル・ウェディングに感化されプロポーズ、めでたしめでたしというお話だが・・・。

アステアがジム内で帽子掛けを始めとして体操器具を使ってダンス。
船上パーティーでのダンスでは海が大荒れとなり揺れる中、引力と奮闘しながらダンシング。これは有名な壁や天井を踊りまわるシーンの前振りとも取れる?滑ってきたソファに兄妹が着地する楽しさ。
「初恋の時幸せで踊りたくなった。踊る事が幸せならばと良く天井や壁を踊る夢を見た」というアステアが恋するアンを思いながら実際に壁と天井を踊りまわるアステア。
映像のトリックでしかないのだけれど、それにしても滑らかな動き。
この映像トリックはアステアの芸無くしては実現できなかったんじゃないかと思うほどに素晴らしいです。

2人の魅力が良く出ているのがロンドン公演の出し物。嘘吐き最低男に結婚を迫る娘と開き直る最低男の歌。
ガムを噛みながら迫るジェーン・パウエルが可愛らしい。
まるで古き良き夫婦漫才のようで、この出し物好きですね。エンターテイメント!

別居していたアンの両親の和解も可愛らしく演出。ロイヤルウェディングのおかげです。
ロンドンの街中の人がご成婚日和を祝してミュージカルになる場面も素敵。
英国ならでは。
どうも権威主義に弱いもので・・・

日本語タイトルが洒落てますが、2組のカップルが誕生するから準決勝なんでしょうか。だとしたら決勝はどうなるの?・・・なんて野暮な事は言いっこなしで、ダンスを楽しめば幸せ。

シネマヴェーラ渋谷

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