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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「人妻セックス地獄」

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「復活!東映ニューポルノのDeepな世界」

「人妻セックス地獄」1974年 東映 監督:本田達男

ある高級往宅街の一画。会社重役の矢代達也の妻・千尋は、自宅のガレージで男に襲われ強姦され、その写真を何者かに撮られた。数日後、千尋宛に某ホテルに来るように、との手紙が来た。そのホテルに行った千尋は、相手の男からデートクラブの斡旋で来たことを知らされた。千尋は計画的に売春を強いられたのだった。数日後、千尋は女中の春江の日記に、千尋を殺してやりたい程憎い、と書いてあるのを発見した。その時、例の男から売春してくれれば写真のネガを返却する、との電話があった。遂に千尋は指定された通り、増村という中年男と寝た。春江が何か知っていると睨んだ千尋は彼女を尾行するが、彼女が入っていったホテルで全裸のまま殺されている春江を発見した。数日後、達也が取引先の客として増村を連れて来た。増村は千尋が売春していることを達也にばらしてしまった。千尋はいたたまれず、矢代家を出た。数ヵ月後、千尋は自分を陥れた謎を解明しようと増村を訪ね、売春を幹施した男・三郎の名を聞き出した。千尋は早速、三郎を探し出し、ホテルへ連れ込んで真相を聞き出した。春江殺しも、千尋を強姦したのも三郎だったが、意外にもそれらを依頼したのは達也だった。全てを知った千尋は達也に対する復讐を誓った……。

東映ニューロマンポルノ2本目。どうせまた1本目同様ゆるい感じのポルノを想像していたが、いきなりオープニングでカウンター・パンチを食らわされた。人妻がガレージで何者かにレイプされるシーンに被るオープニングタイトル。どうところどころでストップがかかりスチールになるカッコ良さは一流のサスペンス物を連想させられる。実際、このオープニングの掴みによって前半部はかなり前のめりで興味深くハラハラ鑑賞してしまった。

罠に嵌められセックス地獄に堕ちるセレブな人妻が「処女かまきり」にもちょっと出ていた女屋実和子。
セレブというにはちょっぴりお下劣なお面付きが、返って、なかなかそそるもんがありOK。
葵三津子も家政婦役で出演している。いかにも何か事件の重要な鍵を握る怪しい言動が続くが、これは観客に対してあからさまなフェイントで急転、殺されちゃておしまい。
どうやらこの罠は亭主の矢代達也(江角英明)が怪しいのではと鈍な私でさえも薄々感づくのではありますが、増村に対する態度なんかは迫真の劇中演技。
そんな引き付けられる展開の中、とても惜しいのが新人とクレジットされた織部ゆう子という娘の大根ぶり。
ピンク女優に於ける台詞の拙さは時にエロ度を増す事があるのは過去から経験済みだが、それにしてもこの娘はひどい。この娘が出てくると、ついイラっとしてしまう。実は織部ゆう子という新人、後に八城夏子となってにっかつで活躍する。なんか、見覚えのある顔だと思ったらそうであったか。あまりの下手さに鑑賞中は気付かなかった。
忘れてはならないの川谷拓三の出演。冒頭のレイプ犯であるタクシー運転手三郎。やはりこの役者は単なる大部屋ではない。

サスペンスは後半、夫の裏切りを知った千尋の復讐劇になるのだが、この段はやはりB級のとんでもない度が増す。
三郎を使って妹をレイプさせ、(部屋に潜んでヒャッホーと飛び掛る拓ぼん、必見)果たしてどのような手段で復讐を遂げるのかとワクワクしていたら、何の事はない、元亭主をおびき出す事だけしか使わない。おびき出したら最後の復讐は実はかなりあっさりしている。あっさり手法の中でも怨念を表現させるために画面が赤くなるのは効果的だし、この時の女屋実和子の復讐の目が実に良いのです。

後半、少し脚本に物足りなさはあるものの、そこはピンク映画として割り引いてあげればなかなかの傑作でした。
脚本の一色爆って掛札昌裕の別名。道理で。っていうか、これあまりピンク映画という感じはしなったな。サスペンスの佳編として楽しめた。

ラピュタ阿佐ヶ谷

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