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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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松井優史 「江川卓が怪物になった日」

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センバツも真っ盛り、明日は準々決勝で4試合観戦できると思ったら本日の第2試合が延長15回決着付かず再試合。
プロも開幕したし、花見の季節、陽気もよくなりました。
またまた野球の読物です。

江川卓が怪物になった日 (竹書房文庫)著者 : 松井優史竹書房発売日 : 2014-03-06ブクログでレビューを見る»

江川卓は読売に固執した就活のセンスが理解できず、嫌いな選手になりましたが、この本は江川が一番凄かったという高校時代限定なので面白いです。なにしろ懐かしい。私も中学2年で最も高校野球を熱く観ていた時代ですから。

夏の甲子園での柳川商との1回戦はスタンドで観戦していました。春の活躍から、一体どんな凄い記録が生まれるのかとワクワクしたものですが、バスターバントの構えという奇襲で柳川商が大善戦。あわやという試合で一転、「江川が負ける所が観れるのじゃないか」と逆の期待でワクワクしたもんです。
結局この試合、妹を甲子園プールで遊ばせていた母と叔母との待ち合わせ約束があり、延長の途中までしか観れず、後ろ髪引かれる思いで球場を後にしたもんです。

その後、この世代がごっそり六大学に入ったのをきっかけに大学野球にも興味を持つようになったし、最初に就職した会社での新入社員研修では広島商の畠山部長の講演があり、1/60の話などを興味深く聴かせていただいたもんですから、やっぱり江川卓という野球人、我々世代では避けて通れない存在。

著書は若く、江川フィーバーを体験していない世代ですが丁寧な取材で当時の事を蘇らせています。

なにしろ、バットにボールが当らない衝撃度っていうのは凄いよね。
今では金属バットだし、ピッチング・マシーンが発達し打力が格段に進歩しているから、もうあのような衝撃的怪物の出現は無いでしょう。
昨年の桐光学園松井の奪三振フィーバーにしたって打たれますからね。まぁ、こちらもプロでの活躍が楽しみです。

丁寧なルポは当時の体育会部活の前時代的風習にも触れられていて、いまでは考えられないような事が当たり前のように行われていた事が良く解ります。若い著者はそのような風習に決して全否定的でないスタンスを取っている(もちろん肯定はしていませんが)のもなかなか興味深いです。

兎に角、ライバルたちの名前が次から次へと思い出されて興奮してしまいます。

ところが・・・・、2007年他界した佃正樹投手の章。
私は闘病物とか不治の病とかの世界は苦手で、極力近寄らないようにしているのですが、これは不意を突かれてしまいました。

大学では活躍できなかったけれど、入学時は江川より佃派でしたので・・・

涙無しには読むことができませんでした。

佃 正樹(つくだ まさき、1955年4月26日 - 2007年8月13日)



当時の佃ギャルも必読でしょう。

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