「映画史上の名作11」
「嘆きの天使」1930年 独 監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 16mm上映
高校の老教師・ラートは、生徒から取り上げたキャバレー”嘆きの天使”の踊り子のプロマイドに魅せられ・・・。ディートリッヒ/スタンバーグの黄金コンビ初作品。ディートリッヒの素晴らしい脚線美と歌のみならず、哀しく苦しいストーリーの中に、人間の滑稽さや歓びを織り込んだ傑作。
これ、やっと見ることができましたは。
12年前、志らくのシネマ落語で聴いて、これは原典に当たっておかなくちゃなって思い続けて12年って事です。レンタル屋に行けばいつでも借りれる環境で、例によって「また、今度ねぇ〜」を繰り返したんです。
シネマヴェーラで16mmフィルム上映と言う機会ならばと重い腰を上げて・・・
古いフィルムですから、画面が暗くて解りにくい。時代が時代というのもあるでしょう。
ポスターなんかで有名なディートリッヒがストッキングを履くんだか、脱ぐんだかの脚線美を堪能というわけには行かなかった。言うほどとも思わなかったし。
それと思い描いていた印象と違うのはローラローラがそれほど悪女には思えなかった事。
ラート君が一人で墓穴を掘ってるようにしか見えない。ま、そこが哀れで悲惨さを増幅しているわけだけれど・・・。
真面目な人間が年をとってから憶えた甘美の成れの果ての典型って事で・・・
ラート教授はいじめたくなる格好の標的に見える。
自業自得というか、悲劇はラート君がローラローラちゃんの美貌と優しさだけに惚れていて、彼女の職業、芸能に惚れてはいなかったんだよね。芸に理解があれば芸人としてもっと開き直れて幸福になれたんじゃないかとも思わせる。それはローラローラは悪女じゃないし、騙したわけでも、裏切ったわけでもないという演出に依るからでしょう。
それなら、悪女として金の無くなった教授を徹底的に疎んでしまった方がスンナリ来る。
確か、志らくのシネマ落語では「木乃伊取り」を伏線に使っていたと記憶するけど
話としては「木乃伊取り」の方が何万倍も好ましい。
故郷に錦の鶏真似。狂気のシーンでのエミール・ヤニングスの演技は圧巻。
怪物ホラー映画級。
シネマヴェーラ渋谷
「嘆きの天使」1930年 独 監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 16mm上映
高校の老教師・ラートは、生徒から取り上げたキャバレー”嘆きの天使”の踊り子のプロマイドに魅せられ・・・。ディートリッヒ/スタンバーグの黄金コンビ初作品。ディートリッヒの素晴らしい脚線美と歌のみならず、哀しく苦しいストーリーの中に、人間の滑稽さや歓びを織り込んだ傑作。
これ、やっと見ることができましたは。
12年前、志らくのシネマ落語で聴いて、これは原典に当たっておかなくちゃなって思い続けて12年って事です。レンタル屋に行けばいつでも借りれる環境で、例によって「また、今度ねぇ〜」を繰り返したんです。
シネマヴェーラで16mmフィルム上映と言う機会ならばと重い腰を上げて・・・
古いフィルムですから、画面が暗くて解りにくい。時代が時代というのもあるでしょう。
ポスターなんかで有名なディートリッヒがストッキングを履くんだか、脱ぐんだかの脚線美を堪能というわけには行かなかった。言うほどとも思わなかったし。
それと思い描いていた印象と違うのはローラローラがそれほど悪女には思えなかった事。
ラート君が一人で墓穴を掘ってるようにしか見えない。ま、そこが哀れで悲惨さを増幅しているわけだけれど・・・。
真面目な人間が年をとってから憶えた甘美の成れの果ての典型って事で・・・
ラート教授はいじめたくなる格好の標的に見える。
自業自得というか、悲劇はラート君がローラローラちゃんの美貌と優しさだけに惚れていて、彼女の職業、芸能に惚れてはいなかったんだよね。芸に理解があれば芸人としてもっと開き直れて幸福になれたんじゃないかとも思わせる。それはローラローラは悪女じゃないし、騙したわけでも、裏切ったわけでもないという演出に依るからでしょう。
それなら、悪女として金の無くなった教授を徹底的に疎んでしまった方がスンナリ来る。
確か、志らくのシネマ落語では「木乃伊取り」を伏線に使っていたと記憶するけど
話としては「木乃伊取り」の方が何万倍も好ましい。
故郷に錦の鶏真似。狂気のシーンでのエミール・ヤニングスの演技は圧巻。
怪物ホラー映画級。
シネマヴェーラ渋谷