「喰女-クイメ-」2013年 東映 監督:三池崇史
舞台「真四谷怪談」の看板女優である後藤美雪の推薦により、彼女と付き合っている長谷川浩介が相手役に選ばれる。二人はお岩と伊右衛門にふんすることになり、鈴木順と朝比奈莉緒らの共演も決定する。こうして舞台の稽古がスタートするのだが……。
なんと、これが三池ホラー初体験か。
相変わらず偏向激しい映画鑑賞の未熟者だなぁ。
「私が至らぬばかりに申しわけないことでございます・・・」
...使い方違ってますか?
で、とっても期待して観に行ったんよ。
日本の最恐怪談、鶴屋南北「四谷怪談」をモチーフにしているなら観ておかんといかんでね。
流石におどろおどろしく怖さの表現が上手なんですね。終始、緊張して見入っておりました。
確かにホラー・スプラッター映画として楽しむには、盛り上がりに欠けていたり、もの足りなさを感じたりもしますが、一定のレベルはクリアしており、とっても楽しめました。
まずは、劇中劇「真四谷怪談」の舞台稽古風景。なんと劇中劇と言いながら、ほとんどがこの真四谷怪談のシーンで構成されている8割くらいでしょうか。
この舞台演劇の良さと映画撮影の良さを融合したような絵作りだけで大満足。こういう良い所取りの見せ方があるんですね、とても新鮮でした。
巷のゲキシネとかいうのもこんな感じなんでしょうか。ゲキシネも観た事が無いので解らないのですがこのような手法を駆使されているのであれば観ておきたい気がしてまいります。
劇中劇以外の現実ドラマ、これが割かれる時間の関係もあり、後藤美雪(柴崎コウ)の長谷川浩介(市川海老蔵)に対する怨念が、お岩さまほどに伝わってこないというのは一見、難点ではあるのです。
しかし、よくよく考えるとこれはお岩さま同様に深堀りをする必要は無いんじゃないでしょうか。むしろ後藤美雪の怨念や殺意を抱くプロセスというのはどうでも良く、むしろ釈然としないままの方が怖い、それで正解であると思えてきました。
今迄にも数々の映画化、演劇化が繰り返されてきた「四谷怪談」
上演前にはスタッフ・キャストが必ずお祓いを受けなければ凶事が起こると実しやかに囁かれる最恐怪談。実際にあんな凶事があったこんな祟りがあったなんて噂は良く耳にするじゃないですか。
これは「真四谷怪談」のお岩さまを演じて、役にのめりこみ、あたかもお岩さまが憑依したかのような恐怖感を見出せば、私としては現代劇シーンの舌足らずさも計算ずくという見方をしたくなります。
後半、三池ホラー・スプラッターも楽しめますが、今回のポイントはそこでは無いのかもしれません。
どこからが現実でどこからが妄想か、どちらが死んでいるのか、双方死んでいるのか、不鮮明な怖さも上手い所です。
市川海老蔵の演技をまともに見るのも初めてと思います。この人は役者以外の側面で露出が多いので印象面ではそれがマイナスに作用されちゃう感じです。
R12ですがセックス・シーンの演出もなかなか新鮮なものがありました。寄りすぎて腰使いとかは見えないんですが明らかな行為として描かれ、下手なAV疑似挿入より何倍も良いでしょう。
ほぼ新人の朝比奈莉緒(中西美帆)もなかなか良かったので、ちょっと調べてみたんですが、本作の役はまさに本人と重なる部分があったようですね。今後の活躍にも期待です。
柴崎コウは後藤美雪の怖さが最高でしたが、お岩さまとなると、根岸季衣に怖さで負けてました。
冒頭では「真四谷怪談」で速水今日子が良い演技してましたな。
鈴木順=宅悦(伊藤英明)の盲目芸、ビッコのカヨちゃん(マイコ)もキャラが良いです。
「私が至らぬばかりに申しわけないことでございます・・・」
もっともっと流行らせたい名台詞です。
この作品、ちゃんと原作小説があるんですね。映画を先に見てしまったけれど、原作にも当ってみたくなる作品でした。
伊藤家の行灯、なぜに百足模様・・・
三池ホラー
「オーディション」はあまりにも怖そうなので観れません。
MOVIX川口
舞台「真四谷怪談」の看板女優である後藤美雪の推薦により、彼女と付き合っている長谷川浩介が相手役に選ばれる。二人はお岩と伊右衛門にふんすることになり、鈴木順と朝比奈莉緒らの共演も決定する。こうして舞台の稽古がスタートするのだが……。
なんと、これが三池ホラー初体験か。
相変わらず偏向激しい映画鑑賞の未熟者だなぁ。
「私が至らぬばかりに申しわけないことでございます・・・」
...使い方違ってますか?
で、とっても期待して観に行ったんよ。
日本の最恐怪談、鶴屋南北「四谷怪談」をモチーフにしているなら観ておかんといかんでね。
流石におどろおどろしく怖さの表現が上手なんですね。終始、緊張して見入っておりました。
確かにホラー・スプラッター映画として楽しむには、盛り上がりに欠けていたり、もの足りなさを感じたりもしますが、一定のレベルはクリアしており、とっても楽しめました。
まずは、劇中劇「真四谷怪談」の舞台稽古風景。なんと劇中劇と言いながら、ほとんどがこの真四谷怪談のシーンで構成されている8割くらいでしょうか。
この舞台演劇の良さと映画撮影の良さを融合したような絵作りだけで大満足。こういう良い所取りの見せ方があるんですね、とても新鮮でした。
巷のゲキシネとかいうのもこんな感じなんでしょうか。ゲキシネも観た事が無いので解らないのですがこのような手法を駆使されているのであれば観ておきたい気がしてまいります。
劇中劇以外の現実ドラマ、これが割かれる時間の関係もあり、後藤美雪(柴崎コウ)の長谷川浩介(市川海老蔵)に対する怨念が、お岩さまほどに伝わってこないというのは一見、難点ではあるのです。
しかし、よくよく考えるとこれはお岩さま同様に深堀りをする必要は無いんじゃないでしょうか。むしろ後藤美雪の怨念や殺意を抱くプロセスというのはどうでも良く、むしろ釈然としないままの方が怖い、それで正解であると思えてきました。
今迄にも数々の映画化、演劇化が繰り返されてきた「四谷怪談」
上演前にはスタッフ・キャストが必ずお祓いを受けなければ凶事が起こると実しやかに囁かれる最恐怪談。実際にあんな凶事があったこんな祟りがあったなんて噂は良く耳にするじゃないですか。
これは「真四谷怪談」のお岩さまを演じて、役にのめりこみ、あたかもお岩さまが憑依したかのような恐怖感を見出せば、私としては現代劇シーンの舌足らずさも計算ずくという見方をしたくなります。
後半、三池ホラー・スプラッターも楽しめますが、今回のポイントはそこでは無いのかもしれません。
どこからが現実でどこからが妄想か、どちらが死んでいるのか、双方死んでいるのか、不鮮明な怖さも上手い所です。
市川海老蔵の演技をまともに見るのも初めてと思います。この人は役者以外の側面で露出が多いので印象面ではそれがマイナスに作用されちゃう感じです。
R12ですがセックス・シーンの演出もなかなか新鮮なものがありました。寄りすぎて腰使いとかは見えないんですが明らかな行為として描かれ、下手なAV疑似挿入より何倍も良いでしょう。
ほぼ新人の朝比奈莉緒(中西美帆)もなかなか良かったので、ちょっと調べてみたんですが、本作の役はまさに本人と重なる部分があったようですね。今後の活躍にも期待です。
柴崎コウは後藤美雪の怖さが最高でしたが、お岩さまとなると、根岸季衣に怖さで負けてました。
冒頭では「真四谷怪談」で速水今日子が良い演技してましたな。
鈴木順=宅悦(伊藤英明)の盲目芸、ビッコのカヨちゃん(マイコ)もキャラが良いです。
「私が至らぬばかりに申しわけないことでございます・・・」
もっともっと流行らせたい名台詞です。
この作品、ちゃんと原作小説があるんですね。映画を先に見てしまったけれど、原作にも当ってみたくなる作品でした。
伊藤家の行灯、なぜに百足模様・・・
三池ホラー
「オーディション」はあまりにも怖そうなので観れません。
MOVIX川口