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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「斑女」

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「甦る中村登」

「斑女」1961年 松竹 監督:中村登

義弟と駆け落ちして東京にやってきた英子は、画家の加々美に気に入られ、彼の愛人の店でホステスとして働くことになるが・・・。武満徹/谷川俊太郎による主題歌「恋のかくれんぼ」と和田誠のイラストがお洒落なオープニング、二転三転するストーリー、アップテンポなセリフの応酬が楽しいラブコメディ。

「甦る中村登」特集は1960年前後、絶頂期の美人、岡田茉莉子の出演作を2本ほど観ときました。もう、8月の事でっせ。
タイトルは「はんじょ」でよろしいかな。「はんにょ」「まだらめ」では無いでしょう。

昭和30年代の東京タワーの景色から始まる本作は達者な役者陣の台詞応酬が楽しい古き良きコメディでした。
岡田茉莉子は義弟(若き佐々木功)と田舎から駆け落ちしてきた人妻。
なんでこんな若造に?というくらい不釣り合い。いきなり別れ話をもちあげる所を見ると、夫に嫌気がさしての上京の手段かとも思いますが、時折この若造に嫉妬の感情を見せたりして艶めかしくも可愛い。水商売デビューするとみるみるうちに本領発揮。

画家の壮年プレイボーイは日本のおじさま山村聡。文句無し!完璧!
おもちゃにしていたと思った娘(芳村真理)に逆転の裏切りをくらったとしてもリアクションが大人で冷静。
岡田茉莉子に過剰な期待を寄せすぎたか、本作ではむしろ芳村真理の方が印象強く、良いのです。
「夜のヒットスタジオ」のおばちゃん、モデル上がりだというのに、こんなに良い演技する女優さんだったんですね。
何本か見てましたが初めて知りました。

岡田茉莉子と結ばれそうで結ばれない杉浦直樹との恋のやりとり。
佐藤慶の結婚詐欺に合い、気が振れるホステス峯京子と・・・(世阿弥作と考えられる能からタイトルを取ったとすればココがメイン?)

力量のある役者陣の中で佐々木功は妙に初々しいので許すとして、意外と残念なのが新人クレジットの倍賞千恵子。関西系不良娘で佐々木功との純愛を育てようという役だけれど、関西弁的にもキャラ的にもルックス的にも並みいるキャストの中でどうしても見劣りしちゃう。
「下町の太陽」が1963年だから、2年後だ。見事に化けましたな。それも凄い。

日本のコメディ。公開当時はどうだったか解らないが、こういう物も50年も寝かせておくと極上の味わいが出るのでやめられませんな。

シネマヴェーラ渋谷

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