「ニンフォマニアック Vol.1」「ニンフォマニアック Vol.2」2013年 丁 監督:ラース・フォン・トリアー
凍えるような冬の夕暮れ、年配の独身男セリグマンは裏通りで怪我を負って倒れている女性ジョーを見つけた。彼は自分のアパートでジョーを介抱し、回復した彼女に尋ねた。「いったい何かあったんだ?」するとジョーは自身の生い立ちについて赤裸々に語りはじめた。それは幼いころから”性”に強い関心を抱き、数え切れないほどのセックスを経験してきた女性の驚くべき数奇な物語だった・・・。
ラース・フォン・トリアー監督の最新作は色情狂をテーマにした2部構成作品。数々の衝撃作を発表し続けたラース・フォン・トリアーはあのどよ~んと観客を嫌な気持ちにさせる作風で凄いんだけれども観るのに一定の覚悟がいるものだが、今回はちょっと趣が違うらしいという評判。
これはVol.2公開に合わせて1,2パンチで連続観賞してやるしかないな。と「映画の日」に出かける。新宿で観賞の予定が出がけにちょっとしたトラブルがあり出遅れ、急遽渋谷に切り替え。16時台のVol.1上映2時間前に到着すると既に満席で、この日のVol.1上映は残すところ21時台しかないという。
今日の所はVol.1のみで諦めるかとも思ったが逡巡の末、16時台のVol.2も観賞することにした。つまりVol.2→Vol.1と逆観賞ということになってしまった。
一応、順を追って・・・
衝撃的で過激な描写とはいうものの、その行間のユーモアにクスクス笑い。
肝心の主人公ジョーが若い頃のステイシー・マーティン、おばはんになってからのシャルロット・ゲンズブールと痩せぎす色情狂である所がポイントで、案外エロさは感じない。
クリスティーナ・リッチのようなムチムチ女優のニンフォマニアも良いが、本作の場合、違った意味で痩せぎすニンフォマニアの起用は大切な所です。
エロさでいえばVol.1に関して言えば、体育の授業で吊るされてるロープのまん中の奴がピクピク卑猥に蠢いている様子が一番エロいと言っても過言で無いくらい。
お笑いギャグ要素ではVol.1でのH夫人、ユマ・サーマンの件、レストランで股間からスプーンを落としながら歩くジョーを訝しげに見るウエイター。Vol.2でのアフリカニグロ3Pといった所が秀逸だが・・・
やっぱり映倫は今でもボカシを入れざるを得ないんですね。とても残念です。
シャルロット・ゲンズブールを中央に黒巨根が2個並ぶ構図は最高のはずなのに、台無しです。そういうのが見たい人はネットのエロ動画で我慢。
色情狂の数奇な人生を、性とは無縁な存在という読書家の初老男が聞き出していくという展開。
Vol.2から観たので早い段階でこのおっさんが童貞であることが解るけど、順を追って見ると、「ああ、やっぱりそうなんだ」というユーモア感覚が楽しめたかも。
いちいち読書によって得た雑学を披露しながら、自己嫌悪に陥るジョーを励ます様子が可笑しくも怪しい。
イアン・フレミングはお読みでなくともワルサーPPKオートマチックの扱いはご存知。「天才登山家の話なんかいらん」と言われるし・・・
Vol.2ではKのどSプレイも見所。
この章では深夜、息子を置いてKの元に通う場面で「アンチクライスト」のセルフパロディありです。
美しい雪を微かに降らせる映像美もお得意。
心理療法の段。
性を連想する物をすべて生活から排除。かどっこのある物に全て布で覆いをしてジット我慢。
メモを引きちぎり「セックス依存症でなく、ニンフォマニアよ!」と看破するジョー。
そして、どうやらエロらしき女体の登場が片耳がいびつというPという少女の存在。
こちらも痩せて冴えませんが流石に若さで勝負。ビューティフルな裸体はミア・ゴスという新人さん。要調査です。
Pという名前だからというわけじゃないけど、ちゃんとおしっこもしてくれます。
順を追って見ていれば、ここで、拾われたジョーのコートが臭い理由が解るわけですね。
皮肉で意地悪な視点は健在で、ラース・フォン・トリア色を消すこと無く新境地の長編軽喜劇。
本作、ユーモアの極めつけは落ちにあります。
この落ちは、ある程度想像は付きます。というか、これ、「結局こういう落ちだったらオモロイんだけどなぁ」と夢想しながら見ていると本当にその落ちを使って来るもんだから恐れ入ります。しかもオープニング同様の黒味で音のみで終わる。
なんだか、ラース・フォン・トリアーにお近づきになれたような気分にさせる作品で、嬉しい。
第1章 釣魚大全
第2章 ジェローム
第3章 H夫人
第4章 せん妄
第5章 リトル・オルガン・スクール
第6章 東方教会と西方教会(サイレント・ダッグ)
第7章 鏡
第8章 銃
逆観賞になったけど、そう問題は無かったように思います。
Vol.1のエンディングではVol.2のシーンが予告として使われ、「続きが観た~い」という気持ちは味わえませんでしたけどね。
Vol.2のエンディングでシャルロット・ゲンズブールの歌う「HEY JOE」もイイですぞ。
ヒューマントラストシネマ渋谷
凍えるような冬の夕暮れ、年配の独身男セリグマンは裏通りで怪我を負って倒れている女性ジョーを見つけた。彼は自分のアパートでジョーを介抱し、回復した彼女に尋ねた。「いったい何かあったんだ?」するとジョーは自身の生い立ちについて赤裸々に語りはじめた。それは幼いころから”性”に強い関心を抱き、数え切れないほどのセックスを経験してきた女性の驚くべき数奇な物語だった・・・。
ラース・フォン・トリアー監督の最新作は色情狂をテーマにした2部構成作品。数々の衝撃作を発表し続けたラース・フォン・トリアーはあのどよ~んと観客を嫌な気持ちにさせる作風で凄いんだけれども観るのに一定の覚悟がいるものだが、今回はちょっと趣が違うらしいという評判。
これはVol.2公開に合わせて1,2パンチで連続観賞してやるしかないな。と「映画の日」に出かける。新宿で観賞の予定が出がけにちょっとしたトラブルがあり出遅れ、急遽渋谷に切り替え。16時台のVol.1上映2時間前に到着すると既に満席で、この日のVol.1上映は残すところ21時台しかないという。
今日の所はVol.1のみで諦めるかとも思ったが逡巡の末、16時台のVol.2も観賞することにした。つまりVol.2→Vol.1と逆観賞ということになってしまった。
一応、順を追って・・・
衝撃的で過激な描写とはいうものの、その行間のユーモアにクスクス笑い。
肝心の主人公ジョーが若い頃のステイシー・マーティン、おばはんになってからのシャルロット・ゲンズブールと痩せぎす色情狂である所がポイントで、案外エロさは感じない。
クリスティーナ・リッチのようなムチムチ女優のニンフォマニアも良いが、本作の場合、違った意味で痩せぎすニンフォマニアの起用は大切な所です。
エロさでいえばVol.1に関して言えば、体育の授業で吊るされてるロープのまん中の奴がピクピク卑猥に蠢いている様子が一番エロいと言っても過言で無いくらい。
お笑いギャグ要素ではVol.1でのH夫人、ユマ・サーマンの件、レストランで股間からスプーンを落としながら歩くジョーを訝しげに見るウエイター。Vol.2でのアフリカニグロ3Pといった所が秀逸だが・・・
やっぱり映倫は今でもボカシを入れざるを得ないんですね。とても残念です。
シャルロット・ゲンズブールを中央に黒巨根が2個並ぶ構図は最高のはずなのに、台無しです。そういうのが見たい人はネットのエロ動画で我慢。
色情狂の数奇な人生を、性とは無縁な存在という読書家の初老男が聞き出していくという展開。
Vol.2から観たので早い段階でこのおっさんが童貞であることが解るけど、順を追って見ると、「ああ、やっぱりそうなんだ」というユーモア感覚が楽しめたかも。
いちいち読書によって得た雑学を披露しながら、自己嫌悪に陥るジョーを励ます様子が可笑しくも怪しい。
イアン・フレミングはお読みでなくともワルサーPPKオートマチックの扱いはご存知。「天才登山家の話なんかいらん」と言われるし・・・
Vol.2ではKのどSプレイも見所。
この章では深夜、息子を置いてKの元に通う場面で「アンチクライスト」のセルフパロディありです。
美しい雪を微かに降らせる映像美もお得意。
心理療法の段。
性を連想する物をすべて生活から排除。かどっこのある物に全て布で覆いをしてジット我慢。
メモを引きちぎり「セックス依存症でなく、ニンフォマニアよ!」と看破するジョー。
そして、どうやらエロらしき女体の登場が片耳がいびつというPという少女の存在。
こちらも痩せて冴えませんが流石に若さで勝負。ビューティフルな裸体はミア・ゴスという新人さん。要調査です。
Pという名前だからというわけじゃないけど、ちゃんとおしっこもしてくれます。
順を追って見ていれば、ここで、拾われたジョーのコートが臭い理由が解るわけですね。
皮肉で意地悪な視点は健在で、ラース・フォン・トリア色を消すこと無く新境地の長編軽喜劇。
本作、ユーモアの極めつけは落ちにあります。
この落ちは、ある程度想像は付きます。というか、これ、「結局こういう落ちだったらオモロイんだけどなぁ」と夢想しながら見ていると本当にその落ちを使って来るもんだから恐れ入ります。しかもオープニング同様の黒味で音のみで終わる。
なんだか、ラース・フォン・トリアーにお近づきになれたような気分にさせる作品で、嬉しい。
第1章 釣魚大全
第2章 ジェローム
第3章 H夫人
第4章 せん妄
第5章 リトル・オルガン・スクール
第6章 東方教会と西方教会(サイレント・ダッグ)
第7章 鏡
第8章 銃
逆観賞になったけど、そう問題は無かったように思います。
Vol.1のエンディングではVol.2のシーンが予告として使われ、「続きが観た~い」という気持ちは味わえませんでしたけどね。
Vol.2のエンディングでシャルロット・ゲンズブールの歌う「HEY JOE」もイイですぞ。
ヒューマントラストシネマ渋谷