「0.5ミリ」2014年 彩プロ 監督:安藤桃子
介護ヘルパーの山岸サワは、派遣先の家族から「冥土の土産におじいちゃんと寝てほしい」との依頼を受ける。しかしその当日、サワはある事件に巻き込まれ、家も金も仕事も全てを失ってしまう。人生の崖っぷちに立たされたサワは、訳ありの老人を見つけては介護を買って出る、押しかけヘルパーとして生きていくことになる。
現在、「日本の個性派女優と言えば安藤サクラである」という事に異論は無い。「愛のむきだし」「罪とか罰とか」くらいしか観てないんだけど、それでも充分、個性を感じる事はできる。その安藤サクラがこれまた、ここん所凄い事になってるってんで、2014年出演作を観てみる。
安藤サクラをもっとも良く知るであろう安藤ファミリーによる作品(監督が姉ちゃんで、エグゼクティブ・プロデューサーが父ちゃん、母ちゃんがフードスタイリスト)だけに、彼女の魅力が溢れております。
とても尺の長い作品になってると思ったら、連作物だったのね。
介護がテーマというものの、重苦しい事は無く、一宿一飯で介護する流離のヘルパーという存在のノリが西部劇のようで面白い。
介護スキルも高いし、料理は上手いし、老人たちにとってはまさに天使。
これはテレパスというスキルを介護スキルに変えた火田七瀬みたいなもんですね。「家族八景」ならぬ「介護八景」「老後八景」なんてね。
パートとしてはプロローグ的な片岡の爺ぃ(織本順吉)パートから流離ヘルパー・デビュー戦の康夫(井上竜夫)パート、茂(坂田利夫)パート、真壁義男(津川雅彦)パートで最終の佐々木健(柄本明)パートの5つだけれど、もっともっと山岸サワ(安藤サクラ)伝説は作れそうなので一話完結TVドラマにしても面白いかも。
あと、かなりいろんな面で意表を突かれるのも楽しい。
まず片岡の爺ぃパートの結末で意表を突かれる。ぶら下がっちゃってるとは驚いた。木内みどりという女優も久しぶりに見たが、いい感じで本物のおばちゃんになってるね。若い頃から老けっぽかったけれど、私、案外好きだったもので・・・
そしてアホの坂田。自転車にいたずらしていたりちょっとボケたキャラかと思っていると昔は自動車整備工だったとかで、ガレージにピカピカに磨き上げた117クーペを隠し持っていたり、なかなかカッコ良いので驚かされる。コツコツ小金も貯めていて、しっかりものだ。
ヤクザ(ベンガル)の詐欺から身体張って守る山岸サワもいい女だ。
しんどいのは真壁義男先生パート。これなんかは、奥さんの草笛光子が認知症になっており、山岸サワの介護の力によって夫婦愛の再生方面の感動話に行っても充分通じそうなんだが、そうはしない所も意表を突いてとても良い。ただ、津川雅彦まで認知症を発症して、延々と戦争の事を語られるのにはまいった。しかし、山岸サワは出版者のふりをして真摯にインタビューしている。天使だにゃあ。
露出は少ないながら、風呂場のドアがわずかに開いてて見える肢体の色っぽい事。
安藤サクラで「瘋癲老人日記」リメイクしてちょ。
爺ぃは津川雅彦では無理と思いますけど。
真壁義男に成り替わって1個だけクレーム・・・
サワちゃん、セーラー服着てくれるって言ってたじゃないの。着てちょうだいな。
佐々木健だけは完全なろくでなしなようで、最後には老人ではなく、息子(違うんだけど、これもちょっと驚いた。言われてみればそうだったな。)マコトを助ける事になる。
安藤サクラの嵌り役としてシリーズ化して欲しいくらい、実に良かったです。
まあ、今作で少なくとも4話シリーズ完結しちゃったけれど・・・
渋谷 ユーロスペース
介護ヘルパーの山岸サワは、派遣先の家族から「冥土の土産におじいちゃんと寝てほしい」との依頼を受ける。しかしその当日、サワはある事件に巻き込まれ、家も金も仕事も全てを失ってしまう。人生の崖っぷちに立たされたサワは、訳ありの老人を見つけては介護を買って出る、押しかけヘルパーとして生きていくことになる。
現在、「日本の個性派女優と言えば安藤サクラである」という事に異論は無い。「愛のむきだし」「罪とか罰とか」くらいしか観てないんだけど、それでも充分、個性を感じる事はできる。その安藤サクラがこれまた、ここん所凄い事になってるってんで、2014年出演作を観てみる。
安藤サクラをもっとも良く知るであろう安藤ファミリーによる作品(監督が姉ちゃんで、エグゼクティブ・プロデューサーが父ちゃん、母ちゃんがフードスタイリスト)だけに、彼女の魅力が溢れております。
とても尺の長い作品になってると思ったら、連作物だったのね。
介護がテーマというものの、重苦しい事は無く、一宿一飯で介護する流離のヘルパーという存在のノリが西部劇のようで面白い。
介護スキルも高いし、料理は上手いし、老人たちにとってはまさに天使。
これはテレパスというスキルを介護スキルに変えた火田七瀬みたいなもんですね。「家族八景」ならぬ「介護八景」「老後八景」なんてね。
パートとしてはプロローグ的な片岡の爺ぃ(織本順吉)パートから流離ヘルパー・デビュー戦の康夫(井上竜夫)パート、茂(坂田利夫)パート、真壁義男(津川雅彦)パートで最終の佐々木健(柄本明)パートの5つだけれど、もっともっと山岸サワ(安藤サクラ)伝説は作れそうなので一話完結TVドラマにしても面白いかも。
あと、かなりいろんな面で意表を突かれるのも楽しい。
まず片岡の爺ぃパートの結末で意表を突かれる。ぶら下がっちゃってるとは驚いた。木内みどりという女優も久しぶりに見たが、いい感じで本物のおばちゃんになってるね。若い頃から老けっぽかったけれど、私、案外好きだったもので・・・
そしてアホの坂田。自転車にいたずらしていたりちょっとボケたキャラかと思っていると昔は自動車整備工だったとかで、ガレージにピカピカに磨き上げた117クーペを隠し持っていたり、なかなかカッコ良いので驚かされる。コツコツ小金も貯めていて、しっかりものだ。
ヤクザ(ベンガル)の詐欺から身体張って守る山岸サワもいい女だ。
しんどいのは真壁義男先生パート。これなんかは、奥さんの草笛光子が認知症になっており、山岸サワの介護の力によって夫婦愛の再生方面の感動話に行っても充分通じそうなんだが、そうはしない所も意表を突いてとても良い。ただ、津川雅彦まで認知症を発症して、延々と戦争の事を語られるのにはまいった。しかし、山岸サワは出版者のふりをして真摯にインタビューしている。天使だにゃあ。
露出は少ないながら、風呂場のドアがわずかに開いてて見える肢体の色っぽい事。
安藤サクラで「瘋癲老人日記」リメイクしてちょ。
爺ぃは津川雅彦では無理と思いますけど。
真壁義男に成り替わって1個だけクレーム・・・
サワちゃん、セーラー服着てくれるって言ってたじゃないの。着てちょうだいな。
佐々木健だけは完全なろくでなしなようで、最後には老人ではなく、息子(違うんだけど、これもちょっと驚いた。言われてみればそうだったな。)マコトを助ける事になる。
安藤サクラの嵌り役としてシリーズ化して欲しいくらい、実に良かったです。
まあ、今作で少なくとも4話シリーズ完結しちゃったけれど・・・
渋谷 ユーロスペース