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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「オーメン」 Blu-ray

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「オーメン」1976年 米 監督:リチャード・ドナー

アメリカ人外交官であるロバート・ソーンはローマの産院にて、死産した我が子の代わりに、同時刻に誕生した孤児である男子を養子として引き取り、ダミアンと名付ける。ほどなくして駐英大使に任命され、その後も公私共に順風満帆な生活を送るロバート。しかし、乳母の異常な自殺を境に、ダミアンの周囲で奇妙な出来事が続発。疑惑を持ったロバートは調査を開始、ついにダミアンの恐るべき正体を知る。

ホラーの古典的名作「オーメン」を初めて観る。
思った以上に地味だし、怖さもホラーとしてはおとなしめな感じ。ところが詰らないかといえば、これがけっこう面白くて引きこまれ一気に見れちゃった。
よくよく考えてみると、地味だから怖くないと錯覚していただけで、実はとても怖い。怖いというか厭~な感じ。





殺人犯罪の中でも一番恐ろしいと思うのは狂信ですから。
これはどう考えたって狂信。あの串刺し神父は、どうしたっておかしいもんね。
ダミアンが悪魔の子というのは観賞側の共通認識なんだけど、普通に考えれば周囲の大人たちの狂信です。
それはさておき、ダミアンの幼さは「悪魔の子」として不気味さを充分に発揮している。何も意思していないし、悪魔として自覚していない。周りで何か異常な事がおきているだけでキリンまで逃げ出す。この怖さの感覚は、大変好もしい処です。

そしてこの作品が古典的(と言ったって70年代だけど)名作である事が良く実感できました。話には聞いていたけれど後世の多くの作家がリスペクトを持って影響されているわけですね。昨年劇場で久しぶりに観た大林監督のTVドラマ「可愛い悪魔」なんかも完全にその類だったのですね。

邸の2階からダミアンの三輪車に接触して母親が転落していくシーン。
あそこでのダミアンのとまどったような表情。本作を象徴していますね。

そして、ラストのダミアンの表情が出色です。



地味な中にあって、悪魔の下僕である二番目の乳母、ベイロック夫人の怖さ、ロバートとの格闘シーンはエグかったですね。
アカデミーを獲った讃美歌みたいな合唱曲が不穏さを増幅させ効果的なのは言うまでもありません。

今時のホラーのエグさ、グロさのイメージで観るから地味と思えるのであって、ホラーというジャンルを解いてしまえば、むしろこちらの方が好みかもしれません。
続編も続けざまに観たくなってるんですけど、どうでしょう。少なくとも2と3は行かねば。


地味な中にあって健闘しているカメラマンの首。
しかし、本作の魅力はこのようなスプラッター表現にあるわけでは無いと思うのです。



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