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Channel: JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)
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「曽根崎心中」

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「ゴールデン名画劇場」

「曽根崎心中」1978年 ATG 監督:増村保造

言いかわした仲の遊女・お初と手代・徳兵衛は、様々な障害に阻まれ、心中を決意する。愛を貫く男女の悲劇を熱情的に描き、梶が数々の主演賞に輝いた増村の集大成。

近松の心中作品を増村監督が撮ったもので、これはかねてより観たかった。
人形浄瑠璃というのはまともに観賞した事は無いけれど、まだまだ演技の稚拙さのある宇崎竜堂の徳兵衛と花魁とはまた違う独特の女郎言葉を使うお初の梶芽衣子による大映的演技を見ていると、そのまんま人形やってるんじゃないかって思うほど。

さて心中に関しては、お初の方が圧倒的に積極的にリードしていて、真面目一本槍で人の良い徳兵衛は引きづられるような感じなんですね。なかなか面白いです。
彼の人の良さにもほどがあるのは悪者友人である油屋久平次に男同士の友情の元、金を貸してしまうのだけれど。この橋本功の久平次の悪人ぶりが素晴らしいだけに、いかにも胡散臭い久平次に無心されて易々と貸してしまう徳兵衛がとっても間抜けに思えてしまうという弊害まで起こしちゃう。とにかくこれだけ憎々しく解りやすい悪人というのはなかなか居ません。橋本功の怪演は大きな見所です。

徳兵衛の主である平野屋久右衛門。井川比佐志がなかなか泣かせる役どころ。

いつもお美しい梶芽衣子さんの見せ場はボロボロになって天満屋を訪れた徳兵衛を縁の下に匿う場面。美しいおみ足にすがりつく徳兵衛。

心中を美化するという事で上演禁止とかって言うけれど、決して美化してばかりいるわけではないように思うのです。いまわの際で両人が父母に自分の不甲斐なさを詫びる言葉・・・、この辺は捉え方一つってところでしょうね。


これが心中に向かうなかなか良い宣材スチールだけれど、徳兵衛の顔がきれいすぎます。本編ではボコボコにされ傷だらけです。美化しちゃいけませんね。

心中シーンの痛々しさもかなりエグくて良かったと思います。

やっぱり古典は素晴らしいです。世話物はもう少し勉強してみるのも良いかもな。




神保町シアター

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